耳の粉瘤(ふんりゅう)はどのように治療できる?耳の粉瘤の手術概要まとめ

はじめに

この記事は以下のような方にお勧めです。

「耳にしこりができてしまったが、どうすればいいのかわからない」

「耳の粉瘤の手術の内容が知りたい」

「耳の粉瘤手術はどのぐらい時間がかかるのか知りたい」

粉瘤は顔や背中などに出来やすい、良性の腫瘍です。粉瘤の治療法は手術しか存在しませんが、簡単な手術なので日帰りで当日に手術を行ってくれる皮膚科もあります。

しかし、耳の粉瘤の場合、顔や背中のような切りやすい部分ではなく、耳の裏側に出来ることが多いため、手術は複雑になります。そのため、耳の粉瘤の手術をする場合には準備が必要になります。

今回は、耳に出来た粉瘤の手術には予約が必要なのか、予約した後に実際の手術では治療を行うのかをご紹介していきます。

この記事を読んでわかること

耳にできた粉瘤の手術は予約をした方がいい理由

耳にできた粉瘤の手術法(切開法)

耳にできた粉瘤の手術法(くり抜き法)

耳の粉瘤の手術は特殊?

粉瘤とは

皮膚の下に嚢腫壁と呼ばれる袋が作られてしまい、袋の中に古い皮脂や角質が溜まってしまうため、出来てしまう良性腫瘍のひとつ

つまり、粉瘤は新陳代謝が起こっている部分であればどこでも起こる可能性があるので耳にできてしまうことも全く珍しいことではないのです。

耳の粉瘤が大きくなりやすい理由

粉瘤が出来てすぐのころは小さく、自然に小さくなることもありますが、耳の後ろなどは比較的大きくなりやすいです。耳の後ろは皮脂を分泌する皮脂腺が豊富なので、嚢腫壁の中にどんどん皮脂が溜まっていってしまいます。粉瘤は角質や皮脂が溜まっていくとボール状に膨れ上がっていきます。

耳の後ろは鏡から見えない場所なので、 ピアスやイヤリングを日常的にしている方でない限り、発見が遅れてしまったり、放置してしまいがちです。粉瘤は放置してしまうと大きくなっていき、場合によっては化膿や炎症を起こすこともあります。

粉瘤の対処法とは

粉瘤の手術は、紡錘形切除法とくり抜き法が一般的に使われます。

①紡錘形切除法

粉瘤を紡錘形に切り取る手術で、大きい粉瘤にも使うことが出来る手術方法です。耳に出来た粉瘤は手術しにくい場所にあることが多いので、紡錘形切除法が使われることが多いです。うつぶせになって耳を固定して手術しなければいけません。耳の後ろにメスを入れるのは大変なので、耳や唇などに出来たふんりゅうは手術が特殊になります。

②くり抜き法

特殊な医療器具で、粉瘤の中央部に数ミリ程度の穴をあけ、そこから内容物を摘出していきます。耳など細かい部分にはあまり向かない術式です。
くり抜き法には、傷跡が残りずらく、人のめに触れる部位の手術に適していますが、再発のリスクは切開法よりも大きくなりやすいです。

耳の粉瘤には予約が必要?

実は粉瘤の手術は予約なしで皮膚科に行って行うことが出来ることが多いです。背中や顔などの大きい部位であれば、切開法は5分ほど、くり抜き法は15分ほどで終わるような場合もあります。

耳の粉瘤の場合は穴が開けづらく、使用できないことが多いです。耳の粉瘤は耳たぶや耳の後ろに出来ることが多いので、手術しにくい場所ではあります。そのため、耳の粉瘤の手術は事前の準備が必要となり、予約が必要です。

粉瘤手術の予約のポイント

予約の時点でどこに粉瘤があるのかを説明しましょう。粉瘤かどうか判断できない場合でも、「耳に大きなデキモノがある」と説明することで伝わります。その際に、どの位置にあるのか、いつごろからあるのか、どのくらいの大きさなのかを説明するようにしましょう。粉瘤や脂肪種であっても同じように手術で取ることが出来るので予約をするようにしましょう。

耳に粉瘤が出来てそのまま放置していると中が炎症を起こしてしまったり、悪臭の原因になるので早めに対処するようにしましょう。粉瘤の治療方法は手術が基本なので皮膚科に予約をして粉瘤の確認をしてもらうのが大切です。粉瘤は早期発見・早期治療が効果的です。

粉瘤の手術予約時のポイント

どこに粉瘤があるのかを説明する。

粉瘤かどうか判断できない場合でも、「耳に大きなデキモノがある」と説明する

どの位置にあるのか、いつごろからあるのか、どのくらいの大きさなのかを説明する。

手術の流れ(紡錘形切除法)

紡錘方切除法とは

紡錘形切除法は、その名の通り粉瘤を切除して取り除く手術方法です。粉瘤は皮膚の中にある嚢腫壁を取り出す必要があるので、粉瘤と嚢腫壁をメスで紡錘形に切り取ります

デメリット
粉瘤全体を切り取るので、粉瘤と同じ大きさの傷跡が残ってしまうことがあります。

メリット
嚢腫壁をきれいに切り取ることが出来るので再発しにくい。

比較的大きな粉瘤も切除することが出来ますが、炎症を起こしている場合には使用できません。炎症を起こしていない粉瘤であれば大きさに関わらず手術可能です。

紡錘方切除法の手術の流れ

① 病院の予約
②検査
病院では粉瘤の確認のために超音波検査やレントゲンを取ることがあります。血液検査をする病院もあるようです。そういった検査を通過した後は、実際に手術が行われます
③麻酔/施術
耳の粉瘤の近くに麻酔を注射します。メスで粉瘤を切り落として、縫い付けて終了です。
④抜糸
一週間後に病院で抜糸をして、傷跡が消えるまでケアをして終了です。紡錘形切除法は傷跡が残りやすいのですが、耳の近くなのでよく選ばれる手術方法です。耳の粉瘤は大きくなりやすい分、早めに治療することが大切。紡錘形切除法であれば比較的スムーズに治療に進めます。

手術の流れ(くり抜き法)

くり抜き法とは

くり抜き法は、近年粉瘤の手術のなかでよく行われる方法です。

くり抜き法とは、粉瘤の中心に器具で穴を開けて、穴から中身を取り出していくという方法です。

ふんりゅうの中身と嚢腫壁を取り出すことで回復します。2~5ミリ程度の穴で治療を行うので、比較的小さな傷しか残らないことが特徴です。

メリット
くり抜き法は、粉瘤が炎症を起こしていても起こしていなくても行える治療法です。炎症を起こしている場合は出来るだけ早めに治療が必要なので、手軽に手術が出来るくり抜き法を選ぶ医師も多い

デメリット
大きすぎる粉瘤には使えないことです。耳に出来る粉瘤は大きくなりやすいので、医師との相談が必要です。

くり抜き法手術の流れ

①病院に手術の予約

②粉瘤の状態を確認
確認方法として超音波検査、レントゲン、血液検査などを行うことがあります。

③幹部に麻酔をつけて、特殊な器具で穴を開けます。
その穴から中に器具を入れて粉瘤の中身を取り出していきます。

④消毒をして終わり

膨らんだ皮膚が元に戻るまでは通院して中を洗浄する必要があります。膨らんだ皮膚が元に戻ると粉瘤がなかったかのようにきれいな仕上がりになります。どちらにしても耳の粉瘤の場合は予約が必要なので、忘れないようにしましょう。

まとめ

耳の粉瘤は、耳たぶや耳の後ろに出来ることが多く、比較的大きい粉瘤に成長することがあります。また、粉瘤の手術も位置的にしにくいところなので、事前の予約が必要になります。どの治療法で治療を行うかは医師と相談の上決定するようにしましょう。ふんりゅうは放置してしまうと炎症を起こしたり、臭いが出てくることがあるので、見つけたらすぐに手術をしてしまうようにしましょう。ふんりゅうの手術は保険適用なので、金額もさほど大きくなりません。

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