脇の粉瘤(ふんりゅう)の注意点とは~脇の粉瘤の対処法解説~

脇にしこりのようなものができたけど、どうすればいいのかわからない」
「脇の粉瘤の対処法や注意点が知りたい」
「粉瘤の治し方が知りたい」

こんな悩みをお持ちではありませんか。

粉瘤は体のどこにでもできる可能性があるしこりのことです。良性の皮膚疾患であり、特に発症しやすい体の部位には、首筋や頭皮、臀部や脇があります。
実は脇は全身の中でも粉瘤ができやすい部位と言われています。

この記事では、粉瘤が脇にできた際の注意点と対処法について詳しく解説していきます。

この記事を読んでわかること
  • 脇にできやすい粉瘤とは何か
  • 脇の粉瘤の注意点
  • 脇の粉瘤が腫れてしまう原因
  • 粉瘤の除去方法

粉瘤とは

粉瘤とは 皮膚の内側に嚢胞(のうほう)と呼ばれる袋ができて、そこに老廃物がたまったもの。

にきびやできもののように見える粉瘤ですが、脇にできた際には注意が必要です。

本来は放置していても問題ないものですが、脇の粉瘤は放置しておくことで粉瘤に細菌が入り込んで腫れてしまったり、服との摩擦や圧迫されること炎症を起こしたり、膿がたまりすぎて破裂したりする可能性もあります。

炎症を起こし、腫れた粉瘤は化膿を起こしている場合や過度な痛みを伴う場合多いため、早いタイミングでの手術が難しくなってしまいます。
脇の粉瘤が少しでも大きくなっていると感じたらすぐにでも医師に相談しましょう。

粉瘤(ふんりゅう)が脇にできたときに3つの注意点

①粉瘤が大きくなっていないかを確認

粉瘤は皮膚の下の袋に垢などがたまっていきます。そのため、中の膿を出すことができずに、少しずつ大きくなることがあります。そのような場合に放置していると、炎症を起こす危険が高くなるのです。

炎症を防げだけではなく、粉瘤の大きさによって手術費用や通院期間も変わります。そのため、粉瘤の大きさを確認しておくことで、安全かつ安く、早く治療を進めることができます。

以下の記事で、粉瘤の大きさ別の費用についてまとめています

②痛みがないか、赤くなっていないか確認

粉瘤ができてしまった際に最も注意すべきなのは、粉瘤が炎症を起こしていないかの確認です。このような状態になったらすぐに病院へ行きましょう。「炎症性粉瘤(えんしょうせいふんりゅう)」という診断がされるかもしれません。

炎症性粉瘤とは、
粉瘤に炎症が起こることで急速に大きくなり、腫れて痛くなる状態のこと。

痛みを感じたり、粉瘤が熱をもったりするだけでなく、症状が強い場合は発熱や倦怠感などが現れることもあります。 炎症を起こした場合は、次第に皮膚が柔らくなってしまい破裂してしまう場合があります。

破裂と聞くと、皮膚の表面に膿が出てくることを想像しますがそれだけではありません。実は粉瘤に圧力がかかると、粉瘤の膿は皮膚の内側に漏れ出すこともあり、さらに炎症が進んでしまうことがあります。

③粉瘤に圧力がかかっていないかを確認

粉瘤が炎症を起こす原因は、粉瘤へ圧力がかかってしまうことと、開口部と呼ばれる中心の黒い点から細菌が入ることと言われています。

臀部や、背中の粉瘤は大きくなりやすいといわれているのは、寝そべったりする際に日常的に圧力がかかることが原因です。

脇に圧力がかかるのは、服で擦れたりすることが原因です。さらに触りやすい場所のため指で触ったりすることも原因の一つになります。

注意点まとめ
  • 大きさが変わっていないかを確認
  • 痛みや赤みが出ていないかを確認
  • 指で触れたりするなど、圧力をかけていないか確認

脇の粉瘤(ふんりゅう)が腫れるのを防ぐには

粉瘤が腫れる原因とは

粉瘤ができてしまう原因は解明されていません。粉瘤が腫れてしまう原因は圧力がかかることで、皮下の袋が炎症を起こしたり、粉瘤の中に細菌が入ることともいわれています。

粉瘤の中にある膿は皮膚の老廃物。皮膚は日々新陳代謝で新しくなっているので、時間が経つごとに老廃物も増えていきます。粉瘤に溜まりすぎた膿が、何らかの原因で感染症や炎症を起こした結果、腫れてしまうようです。

脇の粉瘤が腫れてしまうのを防ぐには

すぐに治すメリット
脇の粉瘤が腫れてしまうのを防ぐためには、粉瘤がまだ小さいうちに、簡単な手術で取り除いてしまうことが効果的です。粉瘤の除去手術は大きさにもよりますが、2~3cm程度の粉瘤であれば、日帰りでオペが可能です。
すぐに手術しないデメリット
腫れあがったり、粉瘤が破裂したりしてしまうと手術ができなくなります。粉瘤を取り除く手術をする前に、中の膿を出す処置が必要になったり、投薬によって炎症を抑えたりする必要があるからです。

小さいうちならすぐに終わる手術なのに、大きいと大変な時間とお金がかかってしまいます。

形が見えてしまうぐらいの脇の粉瘤に気がついたら、すぐに病院を受診し、取り除くことをおすすめします。粉瘤は良性の腫瘍なので、医師によっては様子を見るように勧められるかもしれません。

しかし、粉瘤は放置しても治ることはなく、大きくなったり、破裂したりするリスクが高まることになります。できるだけ早く除去手術を受けておきましょう。

粉瘤の手術内容については以下の記事がオススメです

粉瘤(ふんりゅう)を取り除く方法

粉瘤を完全に治すには、手術で取り除く必要があります。粉瘤は腫れてしまうと炎症が落ち着くのを待つ必要があり、破裂している場合には膿がすべて出るまで手術ができません。粉瘤の存在に気がついた段階で受診し、取り除いた方がいいでしょう。

脇の粉瘤を取り除くための手術には、以下の2つの手法がとられています。
①粉瘤を表面の皮膚ごと取り除く方法
②小さく開いた部分から粉瘤の原因となる袋を摘出する方法

実際の手術では、②番のくり抜き法と呼ばれる術式が近年使用されています。手術後の傷跡が小さくて済むので、傷跡が目立たないことがメリットです。

くり抜き法のさらに詳しい解説については下の記事がオススメ

脇にできた粉瘤の場合、初期の小さい粉瘤であれば日帰り手術が可能です。部分麻酔(局所麻酔)で、粉瘤の周りだけに麻酔をして取り除いていきます。粉瘤を取り除いた後は、縫合か消毒を行います。30分前後で終了する場合もあるため時間もかかりません。

さらに、麻酔が効いているので痛みもそれほど感じません。強いていえば、麻酔の注射が少し痛いと感じる人もいるようですが、手術自体の痛みはほとんどありません。術後も痛み止めの薬が処方されるので安心です。術後すぐは腕を上下するときに少し違和感が残りますが、傷が治ってくれば気にならなくなります。

脇の粉瘤(ふんりゅう)除去手術後の過ごし方

最後に、脇の粉瘤を取り除く手術を受けた後の過ごし方を紹介します。

手術で傷口を縫合した場合、約1週間程度で抜糸が必要になります。それまでは通院する必要もなく、通常通り過ごして大丈夫です。処方された薬を服用し、患部を清潔にしておきましょう。

注意点
  • 抜糸までの期間は、湯船には浸かれないため、シャワーのみ
  • 出血の可能性があるため当日と翌日の運動は控えます。
  • 飲酒についても除去手術当日と翌日は控えましょう。
  • 飲まなければいけない薬がある場合は必ず医師に相談

粉瘤を取り除く手術から約1週間で抜糸をしますが、これ以降は今まで通りの生活に戻していきましょう。手術の傷跡は時間の経過とともに目立たない状態になっていきます。約1~2か月もすれば、ほとんどわからない状態まで戻るはずです。

まとめ

 

記事まとめ

粉瘤は大きさが変化したらすぐに病院へ行って診察を受ける

炎症や化膿前の場合は日帰りでの手術が可能

粉瘤は炎症を起こした場合はすぐに手術ができないので要注意

手術後はできるだけ運動は控える

 

全身どこにでもできる可能性のある粉瘤ですが、脇にできた場合にはすぐに病院を受診しましょう。

何らかの原因で粉瘤が腫れてしまうと、すぐに除去することができません。腫れが引くのを薬を飲んで待ったり、粉瘤の中に溜まった膿をすべて出し切る処置が必要になったりします。

腫れてしまうと除去までに時間がかかりますが、まだ小さいうちであれば日帰りでの簡単な手術で取り除くことが可能です。痛みもほとんどなく、すぐに帰ることができるので、早めに取り除いた方が良いでしょう。

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