粉瘤手術にかかる時間と費用とは|切開法・くり抜き法まとめ

はじめに

この記事はこんな方におススメ

人目につく場所のしこり(粉瘤)ができてしまったので何とかしたい

 

しこり(粉瘤)の除去方法が手術のみとまではわかるが、どのぐらいの時間と費用がわからない

 

入院するほどの時間はないが日帰りで終わるほど簡単なのか知りたい

目立つところにできてしまう粉瘤、痛みや熱を持っている粉瘤に悩まされていまる粉瘤には多くの人の多くは上記のような悩みを抱えています。

実は粉瘤は、体の皮膚ならどこにでもできる良性の腫瘍です。そのため、そのまま放置していても問題はないと言われていますが、顔や耳などの目立つ部位にできてしまうと気になってしまいます。

しかし、粉瘤は薬や抗生剤でなく、手術による摘出がどうしても必要になります。これは粉瘤の発生原因がわかっていないからです。もし粉瘤を取りたいと思った時には、手術費用がどのくらいかかるか、日帰りか入院かと心配になる人も少なくありません。

この記事では、粉瘤の切開手術の種類と費用、所要時間を解説します。

この記事を読んでわかること

粉瘤の手術を受けないリスク

粉瘤の切開手術の所要時間や費用

手術期間や費用が追加でかかってしまう場合

粉瘤の手術を受けたほうが良い理由

粉瘤とは

皮膚の毛穴の中に袋状に垢や皮脂がたまってしまうことでできるしこり

皮膚の細菌感染による化膿や、ケガや傷跡が原因になることもありますが、ほとんどの場合が原因不明です。ある日突然粉瘤ができているのに気が付いた、という人も少なくありません。また、先天的に粉瘤ができやすい体質の人もいます。

粉瘤は良性の腫瘍のため、そのまま手術をせずに放置しておいても、命に危険があるわけではありません。しかし、粉瘤は放置しておいても完治はしません。さらに、皮下の嚢腫(のうしゅ)と呼ばれる袋状のものは垢や老廃物がたまり続けてしまうため、さらにしこりが大きくなってしまう可能性があります。

粉瘤は非常に化膿しやすく、少しの細菌や少しの圧力が加わることで簡単に化膿してしまいます。その部分から細菌が入って痛みや熱の原因になることもあります。よって、体の気になる箇所に粉瘤ができたら、手術で取ってしまったほうが色々なリスクを防げます。

さらに、粉瘤は体の皮膚ならどんなところにもできます。顔にももちろんできます。顔などの目立つところに粉瘤ができてしまうと、とても気になりますよね。顔の粉瘤は、小さいうちに手術すれば傷跡が目立たないというメリットがあります。

そのままにしておくと、どんどん粉瘤が大きくなってしまい、手術の傷跡も大きくなったり、完治まで時間がかかってしまったりするリスクがあります。

粉瘤の切開手術について

粉瘤を治療するには、毛穴の中にできた袋ごととらなければいけません。その時に行われるのが粉瘤の切開手術です。粉瘤の状態やサイズ、できた箇所によって、行う切開手術が異なります。

炎症や化膿を起こしていない場合

おススメ術式:くり抜き法

くり抜き法とは、通常のメスではなく、粉瘤の膨らんでいる口に小さな筒のメスを使って穴を開ける手術方法です。

皮膚にメスを入れるのではなく、粉瘤に穴を開ける、というとイメージしやすいかもしれません。開けた小さな穴から、毛穴の奥にある粉瘤の袋ごと、くっついている皮膚から剥がして、取り出す方法です。

メリット
傷跡が小さくて残りにくい、手術時間が非常に短い場合が多い。施術の際の痛みが少ない。
デメリット
除去する粉瘤が大きい場合には内容物を取りきれず、再発の可能性がある。何度も再発を繰り返しており癒着性の高い粉瘤の場合は、使用できない。

粉瘤が炎症や化膿を起こしてしまっている場合

おススメ術式:小切開摘出法

小切開摘出法とは、皮膚にメスを入れて、粉瘤の元になっている袋ごと皮膚から切り取る手術方法です。

メリット
肥大化していたり、炎症を起こしてしまった粉瘤でもすぐに施術できる。再発のリスクがくり抜き法に比べて少ない。
デメリット
くり抜き法よりも完治まで時間がかかりますし、傷跡も残りやすくなります。

粉瘤の手術で所要時間や費用はどのくらいか

実際に粉瘤を取る時には手術を行います。手術方法によって、所要時間は異なります。各手術の所要時間について見てみましょう。

くり抜き法にかかる時間

手術自体はおよそ10~30分で終わるものがほとんどです。必要に応じて翌日または1~2週間後に経過を見るために再診を受けますが、傷口が数ミリ程度であるため術後に貼られる保護テープで十分です。再診時に特に問題がなければ、そこで治療は終わりになります。

小切開摘出法にかかる時間

小切開摘出法については、粉瘤のできている箇所やサイズ、粉瘤の症状の状態によって異なります。くり抜き法のように、比較的短い時間で済むものもありますし、日帰りで手術可能な場合もあります。

手術の所要時間そのものは、30分から1、2時間で済むことが多いです。こちらも、経過観察や抜糸のために再診を受けます。

粉瘤の手術の費用

粉瘤の切開手術の費用は、できたサイズや箇所によって異なります。

3割負担の場合
露出部 2㎝未満 5,000~6,000程度
2~4㎝未満 11,000~12,000程度
4㎝以上 13,000~14,000程度
非露出部 3㎝未満 4,000~5,000程度
3~6㎝未満 10,000~11,000程度
6㎝以上 12,000~14,000程度

 

1割負担の場合
露出部 2㎝未満 2,000程度
2~4㎝未満 4,000程度
4㎝以上 4,500程度
非露出部 3㎝未満 1,500程度
3~6㎝未満 3,500程度
6㎝以上 4,500程度

ただし、いずれの場合も健康保険が適応になりますので、自由診療である美容整形のような費用は発生しません。

細菌感染していた場合は時間も費用もかかる

手術で切除したい粉瘤が、痛みや熱を持っていたり、大きく腫れあがったりしている場合には、細菌に感染している可能性があります。

粉瘤が細菌感染をして化膿していたり炎症を起こしている場合には、初めに抗生剤を飲んで炎症を抑える必要があるため時間がかかってしまいます。

細菌感染の度合いが比較的軽かった場合は、抗生物質を投与して体から細菌を排除します。抗生物質によって粉瘤の腫れが治まってきたら、あらためて切開手術を行います。

細菌に感染していた度合いが重い場合は、一端切開を行って中の膿を取り出さなければいけません。膿をすべて出したあとに、抗生物質を投与して、落ち着いてから切開手術を行います。

細菌感染していた方が、完治までに時間がかかります。また、細菌感染して一度腫れてしまった粉瘤に対しては、くり抜き法での手術ができなくなります。手術に入るまでに細菌を鎮静化させる時間が必要です。

費用は、こちらも健康保険が適応になります。ただし、抗生物質や軟膏などが処方されるため、細菌感染をしていなかったときよりもかかる費用は高くなります。

細菌感染のリスクは、粉瘤を放っておいた期間が長ければ長いほど高くなります。より短い所要時間の手術と費用で粉瘤を取りたいなら、早めに皮膚科を受診しましょう。

まとめ

粉瘤を取るために行う手術の方法や、それぞれの手術ごとの所要時間・費用についてご紹介しました。粉瘤は良性の腫瘍であり、できたばかりの時には特に痛みもないため、放置してしまう人が多いです。けれども、放置しておいても治りませんし、細菌感染のリスクもあることが分かりました。特に、顔などの目立つところにできてしまった粉瘤を取りたいときや、費用や時間をできるだけかけずに取りたいときには、早めの受診がおすすめです。

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