頭皮のふんりゅう(粉瘤)の原因とは?頭皮のふんりゅう対処法まとめ

頭のしこりを発見した時、こんな悩みを抱えませんか。

「頭にずっと気になるしこりがある」
「頭皮にできた粉瘤は除去した方がいいのか気になる」
「頭皮の粉瘤の対処法が知りたい」

実は、粉瘤(ふんりゅう)(別名:アテローム)は皮膚のあらゆる場所にできるのです。そのため頭皮に粉瘤ができたとしても、特に珍しくはありませんが、なぜ頭皮に粉瘤ができてしまうのでしょうか。また、頭皮に粉瘤ができてしまった場合、どのように対処して治療すればいいのでしょうか。

今回の記事は、頭皮の粉瘤に悩む方にむけて、頭皮の粉瘤の対処方法や原因についてまとめて紹介していきます。

この記事を読んでわかること
  • 頭皮にできた粉瘤の対処方法
  • 頭皮の粉瘤ができる原因
  • ニキビと粉瘤の違い
  • 頭皮の粉瘤を治す費用

頭皮にできるふんりゅう(粉瘤)とは

まずは、粉瘤という皮膚疾患がどのようなものなのか確認していきます。

粉瘤の特徴

粉瘤とは

頭皮や背中、腕、顔など、体のあらゆる部分に生じる可能性がある良性の皮膚疾患です。おできなどともよばれる皮膚疾患ですが、その実態は良性の腫瘍です。

粉瘤は皮下に袋状の嚢胞ができるため、そこに皮脂などの老廃物が溜まって肥大化していきます。しかし、頭皮に限らず、どの場所の粉瘤でも、粉瘤が生じる原因は解明されていません。

頭皮の粉瘤の注意点

頭皮に粉瘤ができてしまった場合には、頭皮が薄くなることで毛細血管などの機能に影響が出るため、患部周辺が薄毛になる可能性があります。

頭皮の粉瘤と抜け毛については下の記事で解説しています

頭皮に生じた粉瘤の治療法としては、専門医で除去手術を受ける以外に完治させる方法はありません。自分で粉瘤を潰したり中身を押し出したりすれば、悪化するばかりでなく、再発を繰り返して手術でも跡を残さずに除去することが難しくなってしまいます。

中には、ニキビと勘違いして中身を潰してしまうケースも珍しくありませんが、粉瘤で中身をつぶそうとしてしまうと炎症を起こしてしまう可能性があるため、絶対に自分の判断で潰すことはやめましょう。

頭皮粉瘤の注意点
  • 患部周辺が薄毛になる可能性がある
  • 患部を押したり、つぶしたりすることで症状が悪化し、炎症を起こす場合がある
  • ニキビと間違えて、内容物を押して出そうとしてしまう可能性がある。

粉瘤(ふんりゅう)とニキビの3つの違いとは

粉瘤とニキビの違いは、およそこの3点で見極めることができます。

開口部と呼ばれる穴が患部の中央に空いているか

粉瘤はニキビとは異なり、患部の中心には開口部と呼ばれる、黒い点のようなものが見ることができます。(参考サイト:日本皮膚科学会

ただし、頭皮にできた粉瘤の場合には、開口部を目視で確認するのは大変困難なので、気になった場合にはできるだけ早めに皮膚科などの専門医に診てもらうようにしてください。

指で摘まめるほどのしこりがある

ニキビの場合でも、毛穴の奥につまっている膿や皮脂などがしこりのように感じることもありますが、指で摘まめるほどにまでなることはまずありません。

目視での確認が難しい頭皮の場合には、指で摘まめるかどうか
も判断基準のひとつになるでしょう。

大きさと臭いの差

ニキビと異なり、粉瘤の嚢胞は老廃物がたまる一方で廃出されることがないため、どんどん肥大化していきます。

ニキビだと思って放置していたら実は粉瘤だったという場合でも、肥大化して炎症を起こし、痛みが生じるようになって初めて気づくというケースも珍しくありません

さらに、嚢胞の中身は古くなった角質や垢といった老廃物なので悪臭を放っている可能性もあります。この臭いもニキビとの大きな違いといえるでしょう。

粉瘤はニキビと異なり、中身を押しつぶして無理矢理に老廃物を排出したとしても、嚢胞が皮下に残っているため何度でも再発を繰り返します。

粉瘤(ふんりゅう)が頭皮にできるのはなぜ?

現在でも、粉瘤が生じる原因はよくわかっていないため、粉瘤を予防する方法は残念ながらありません。粉瘤ができてしまった場合には、圧迫したり、内容物を出そうとしたりせずにそのまま放置して対応することが粉瘤の炎症や化膿を防ぐことができます。

細菌に感染してしまうと、粉瘤が炎症を起こして赤く腫れ上がり、数カ月のうちに驚くほど肥大化することもあります。炎症や化膿を起こしてしまうと痛みを伴うため、洗髪が思い通りにできなくなるなど、日常生活に支障をきたすようになる可能性もあります。

繰り返しますが、粉瘤は自分で治すことはできませんし、自然治癒もしません。頭のデキモノを医師に診せるのは恥ずかしいと、通院をためらってしまうかもしれませんが、日常生活への支障を防ぐためにも、できるだけ早く医療機関を受診してください。

頭皮の粉瘤(ふんりゅう)を治す方法と費用は?

粉瘤を完治させるためには外科手術によって嚢胞を取り出す以外に方法がありません。術式は「切開法」と「くり抜き法」の2種類に分かれます。切開法では術後に傷跡が残る可能性があるので、最近ではくり抜き法を採用している医院が多くなっています。

ここでは、くり抜き法について簡単に紹介していきます。

くり抜き法とは

頭皮に限らず、くり抜き法で粉瘤を除去する方法は同じです。

手術の流れ
①患部の周囲をきれいに消毒します。頭皮では患部周辺の髪の毛を剃らなければいけないケースもあります。しかし、最近では全く髪の毛を剃らずに手術を行う病院も多いので安心です

②患部を消毒した後は、できるだけ痛みが出ないように極細針を使用した局所麻酔を行います。

③嚢胞の摘出を、患部の中央に 2ミリから5ミリほどの穴を開けて老廃物と嚢胞をくり抜き取り出します。

④最後に生理食塩水で患部をしっかりと洗浄したあと、丁寧に縫合して終了です。手術の所要時間は15分前後となります。

粉瘤の手術費用とは

頭皮の粉瘤の治療は、美容外科や皮膚科、形成外科で行われることが多いです。しかし美容外科では保険適用外になることも多いため、まずは皮膚科や形成外科で相談をしてみましょう。

頭皮の粉瘤除去手術の料金(3割負担の場合)

直径2センチ未満の粉瘤なら5,000円前後
2センチから4センチは11000円程度
4センチ以上では13000円ほどとなります。

このほか、初診料や再診料、病理検査費用などが 1000円から3000円程度かかります。

さらに詳しく費用について知りたい方は下の記事で解説しています

まとめ

頭皮の粉瘤はそのまま放置しておけば、日常生活に支障をきたすほどの痛みや肥大化をする可能性があるので、できるだけ早く除去手術をして完治させることが重要となります。

除去手術自体は決して複雑なものでも時間がかかるものでもなく、また費用も高くないので、悩んでいるならば専門医の診断を受けて除去してしまいましょう。恥ずかしいかもしれませんが、長い目で見れば痛みや、デキモノがあるというストレスからの解消によるメリットの方がはるかに大きいはずです。

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