顔のふんりゅうは跡になる?きれいに処理する方法とは?

前説

急に顔にできるしこり。もしかするとそれは「粉瘤(ふんりゅう)」かもしれません。粉瘤とは、皮膚の中にできた袋の中に垢などの老廃物が溜まってできたもの。毎日お風呂に入っていたり、清潔を心がけていたとしても、誰にでも、どこにでもできる可能性のあるものです。

顔にできてしまった粉瘤は人の目もあり、とても気になってしまうもの。できるならばきれいに取り除きたいですよね。今回は顔にできた粉瘤をきれいに処理するための方法をご紹介します。間違っても自分で潰すのだけはやめてくださいね!

粉瘤とはいったい何

粉瘤(ふんりゅう)とは、皮膚の中に嚢胞(のうほう)と呼ばれる袋ができ、その袋の中に角質や皮脂などの老廃物がたまったもの。皮膚の良性腫瘍(りょうせいしゅよう)の1つです。大きさは人によってまちまちですが、皮膚が腫れた程度のものから、数cmほどの半球状のものまであります。

皮膚の表面が半球状に盛り上がるのが一般的です。場合によっては、握りこぶしほどの大きさまで膨れ上がったり、皮膚の表面に垂れ下がるような形状になったりすることもあります。

粉瘤自体の色も人によって違い、白色、赤色、黒っぽいものまで存在します。粉瘤以外の腫瘍やできものとの違いは、粉瘤には中央部に黒い点のような穴ができること。強く押すと中から膿が出ることもあります。

また粉瘤は老廃物が溜まっていくことでできる腫瘍です。治療をしない限り老廃物が外に出ていくことはないので、時間の経過とともに大きくなっていきます。

粉瘤は全身どこにでもできる可能性があります。顔や首、脇やおしりにできることが多く、粉瘤ができていることに気がつかずに過ごしている人もいるほど。“腫瘍”と聞くと身構えてしまいますが、粉瘤は日帰り手術で治る良性の腫瘍です。放置していたとしても、大きな問題はありません。

顔の粉瘤を自分でつぶすのは絶対にダメ

粉瘤は放置していても問題ないとお伝えしましたが、しこりやできもの、ニキビのように見えるので、気になる方も多いかもしれません。特に顔にできた粉瘤の場合、多くの女性は見た目の問題から悩みます。だからといって、粉瘤を自分で潰すのは絶対にやめましょう。ますます悪化する可能性があるからです。

粉瘤は潰しても治ることはありません。粉瘤を潰すことで中から膿が出てきます。粉瘤が小さくなるので、一見すると治ったように感じるかもしれません。しかし実際には、中にある袋ごと取り除かない限り、また同じように膿が溜まってきます。

むしろ、粉瘤を潰したことにより傷から細菌が入り、感染症を引き起こす可能性が高まるのです。そこまでいかなかったとしても、炎症を起こして「炎症性粉瘤(えんしょうせいふんりゅう)」になるかもしれません。

炎症性粉瘤とは、粉瘤に何らかの原因で炎症が起こり、腫れて痛くなる状態のこと。熱を持ったり、激しい痛みを感じたりします。炎症が起こると膿が余計に溜まりやすくなり、最悪の場合、破裂してしまう可能性もあります。

感染症を引き起こしたり、破裂してしまったりした粉瘤は、すぐには手術ができません。きれいに治りづらくなる可能性もあるので、気をつけましょう。

顔の粉瘤は早めに取り除いた方が傷は小さい

顔にできた粉瘤を取り除くためには、まず病院での検査が必要になります。受診する科は、皮膚科や整形外科、美容外科などが挙げられます。はじめから大きい大学病院等に行くことに抵抗がある場合には、超音波検査(エコー)が可能な地元の病院を受診してみるのもいいですね。

できたばかりの粉瘤はすぐに診断が可能ですが、大きくなっていたり、根が深そうだったりする粉瘤の場合には、超音波検査をおこないます。それでも見づらい場合には、MRI検査やCT検査で粉瘤の全体をきちんと確認するはずです。

2~3cm程度の大きさの粉瘤であれば、部分麻酔を使うことにより日帰りでの除去手術が受けられます。病院によっては、粉瘤を取り除かず様子を見るようにという診断をするところもありますが、顔にできた粉瘤の場合、どうしても見た目が気になってしまうもの。粉瘤が小さいうちに取り除いた方が、手術時の傷が小さくて済みますので、早めに取り除いた方が良いでしょう。

顔に粉瘤ができた患者さんの中には「小さいからそのうち消えるのでは」と放置している人も一定数います。しかし粉瘤は自然に治ることはありません。むしろ時間が経つごとに大きくなるケースも多く、時間が経つほど見た目にも目立ってきます。 顔にできた粉瘤は、気がついたらすぐに取り除いた方が良いでしょう。

顔の粉瘤をきれいに取り除く方法と術後経過

顔にできた粉瘤をきれいに取り除くには、手術をするのが一番早く、安心です。手術方法は2種類あります。粉瘤を表面の皮膚ごと取り除く方法か、小さく開いた部分から粉瘤の原因となる袋ごと摘出する方法です。

粉瘤が腫れていたり、炎症を起こしたりしている場合には、溜まった膿みを外に出さないといけません。膿を出し、炎症が落ち着いてから、粉瘤自体を取り除く手術をおこないます。膿を出しても粉瘤の袋が残っている限り、同じように膿が溜まり続けるからです。

粉瘤を取り除いたあとの傷は、粉瘤の大きさによります。粉瘤が小さければ手術のために開く穴も小さくて済みますので、傷跡も小さいです。反対に粉瘤が大きければ手術時に開く穴も大きくなりますので、傷跡も大きくなってしまいます。

顔の粉瘤を取り除く場合は、傷口が小さくて済む手術方法を使います。傷跡も1~2mm程度。大きくても数cm程度でしょう。顔にある皺に合わせて切開することで、目立たないように工夫してくれる医師もいます。あらかじめ相談しておくと安心です。術後の傷は、半年から1年ほどで目立たなくなります。

顔の場合は傷跡が小さいほうが良いですよね。粉瘤に気がついたらすぐに病院で受診することで、小さいうちに手術することができます。気になったら早めに受診をしましょう。

まとめ

顔にできた粉瘤は、見た目にも、気持ち的にも、気になってしまいますよね。だからといって自分で潰すのは絶対にやめましょう。「あれ?」と思ったタイミングですぐに受診することで、小さい傷口で摘出手術ができます。粉瘤を放置していても良いことはありません。むしろ大きくなってしまったり、破裂して中の膿が出てしまったり、手術に時間がかかったりする可能性があります。きれいに取り除くためにも、早めの受診を心がけましょう。

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