粉瘤の手術ってどんな内容?粉瘤の3つの治療法をわかりやすく解説

はじめに

この記事はこんな方におススメ

粉瘤の手術法について知りたい

粉瘤の手術にはどんな種類があるのか知りたい

各手術法のメリットとデメリットについて知りたい

粉瘤には手術しか治療法がないと聞くとどんな治療法があるのかなど気になりますよね。粉瘤は自然治癒や自分での処理ができないので、手術についての情報は非常に重要です。

粉瘤が炎症してしまって切開することになった場合の手術内容を手法ごとに紹介します。それぞれメリット・デメリットがありますが、最適な方法と信頼できる医師を見つけて的確な方法で処理したいところです。特に顔や首などの目立つ場所にできた場合は、傷跡が残りにくい方法を選ぶことも重要です。

この記事では粉瘤の手術に関してのメリット・デメリットや手術内容や手法などを徹底的に紹介していきます。

この記事を読んでわかること

それぞれの粉瘤手術についての手術内容

それぞれの粉瘤手術についての手法

それぞれの粉瘤手術についてのメリット・デメリット

くり抜き法(ほぞ抜き法)

くり抜き法とは

くり抜き法は、粉瘤に注射針のようなもので小さな穴を開けて、その穴から粉瘤の内容物を完全に取り出す術式です。内部の内容物に膿があっても対応可能です。さらに、粉瘤ができる原因とも言える垢などが溜まる袋状の壁を完璧に抜き取れます。

くり抜き法の手術順序

(参考サイト:世田谷そのだ皮膚科)

①表面の黒点の部分に ディスポーザブルパンチという直径8~4mmほどの円筒状のメスを刺し込みます。
② 黒点を含む表面の皮膚とともに袋状構造物の一部をくり抜きます。
③ くり抜いた後、内容物と一緒に袋そのものも取り出します。
④縫合する場合はほとんどありませんが、場合によっては縫合します
⑤数週間で傷跡が閉じ、医師に確認を取ったら治療は終了です。

くり抜き法は痛みも少なく、手術時間が短くて済みます。比較的手術の工数も少ないため忙しい方でも、簡単に手術を受けることができます。

くり抜き法のメリット

メリット

①傷が数ミリで済むため顔などの人目につくパーツでも行うことができる
②炎症がある場合でも、治療することができる場合があること
③手術が1度で済むため通院コストが下がる
④手術時間が短くて済むため、日帰りの手術や即日の手術も可能

くり抜き法では、傷跡が小さくて済むのが大きなメリットです。そのため、サービス業の方などにはおススメの術式です。さらに、通院コストが低くて済むので忙しい方でも、気軽に粉瘤治療を行うことができます。

くり抜き法のデメリット

デメリット

①再発のリスクが切開法に比べると高くなる
②何度も再発していたりする、癒着性の高い粉瘤には適さない

デメリットとしては、手術はかなりテクニックを必要とするので、熟練した医師でない場合はリスクを伴う可能性があることです。また、5cm以上の大きな腫瘍や炎症を何度も繰り返して硬くなり、癒着のある粉瘤には向かないことです。
過去に何度も粉瘤ができてしまっている方にはくり抜き法は対応することが難しいです。

まずは医師に相談しながら、治療を進めていきましょう。

傷跡が残りやすい小切開摘出法

小切開摘出法とは

小切開摘出法は炎症性粉瘤の一部を切開して穴を開けます。穴から内部に溜まっている膿、皮脂、垢などの内容物をきれいに取り除く方法です。 小切開摘出法をして内部に溜まっているものを取り除き、洗浄することで炎症は治まってきます。原因は、内部にたまっている汚物による異物反応である場合が多いので、取り除くだけで改善されるのです。

小切開摘出法の順序

①患部よりも一回りほど大きくメスで切開を行います。
②皮下の内容物を直接取り除きます。
③患部を縫合します。
④数週間後には傷跡がふさがっているので抜糸して治療は完了

切開法はくり抜き法に比べて、傷跡も大きい手術法ですが、大きく肥大化してしまっている場合や、癒着が起こっている場合には非常に有効な術式です。抜糸の必要があるため、通院コストがかかってしまうのでそこは注意が必要です。

小切開摘出法のメリット

メリット

①炎症があっても治療できる場合があること
②癒着している場合などには直接、皮下の嚢腫を取ることができる
③再発のリスクが低い

切開法のメリットは、手技が簡単なので基本的にあまり熟練していない医師でもできること、とりあえず炎症が治ることです。痛みがある場合や、何度も再発している場合には切開法は根本治療ができる術式です。

小切開摘出法のデメリット

デメリット

①通院コストが高い
②傷口が大きい
③手術後にある程度痛みが続く場合がある

反対に切開法のデメリットは、袋が残っているので、そのままにしておくとまた垢などがたまり始め、炎症が起こる可能性があるため、袋を取るために再手術が必要なことです。また、再手術をするので大きな傷が残る可能性があることや、粉瘤の袋状の壁が残っているため異物反応があり痛みが続くというデメリットもあります。

切開法の手術も日帰りでできます。局所麻酔をして切開し、排膿を行い、傷が落ち着いたら再手術で粉瘤を完全に除去します。切開・排膿から再手術までは、2ヶ月くらい必要です。

患者にとって負担の大きい保存法

保存法とは

炎症性粉瘤を抗生物質と痛み止めの投薬のみで様子を見ながら治療する方法です。炎症の原因が細菌である場合は抗生物質で治療が可能ですが、実際には細菌である可能性はかなり低く、異物反応である可能性が高いため、抗生物質ではほとんど治療効果が期待できません。

抗生物質は、ただ感染を予防することと感染が拡大することを予防することだけにしか効果が期待できません。炎症が軽度の場合、保存法治療でも効果が発せられ、炎症が治らないとは言い切れません。

しかし炎症が普通かそれ以上の場合は、痛みが継続し、炎症が続きます。かなり辛い状態がずっと続き、最終的に炎症性粉瘤が破裂してしまい、内容物が飛び散ってしまいます。

保存法のデメリット

保存法の場合は、痛み止めの薬を服用しているとはいえ、かなり長い間、痛みや腫れが続きます。かなりデメリットのある方法といえます。

自壊して内容物が流れ出してしまってから数ヶ月待って、炎症が落ち着いてから粉瘤を取り除く手術をします。患者さんがかなり長い間苦しむことになる、デメリットの大きな治療方法です。また長い間炎症が続き、皮膚の縫合ができない状態になっているため、手術ができるまでにかなり長い間待つ必要があります。

粉瘤を切開するより早めの手術

炎症粉瘤になると痛みや発熱などに苦しむことが多くなります。できれば、炎症が起きる前に手術をして取り除いておく方が感染や異物反応で腫れ上がる可能性が低くなります。粉瘤は小さいものでしたら手術が簡単です。また手術も安くできます。

粉瘤の手術は健康保険適用です。外部から見える場所と見えない場所で少し治療代に差がありますが、2cm未満の場合の手術費用は5,000円程度です。痛み止めなどの薬代、診察料などをプラスしても1万円程度です。

共済保険などの医療保険で保険金が支払われる場合もあります。保険によってまちまちですから契約事項を確認しましょう。共済保険などの公的なものは、粉瘤が見える場所である場合、つまりひざ下、腕、顔や首にある場合に治療代が支給されます。
ですから、出費は少なくてすむので、できるだけ早めの受診がおすすめです。

皮膚の突起は必ずしも粉瘤だけではありません。悪性腫瘍である可能性もないとはいえないので、専門の医師に見てもらうことが大事です。良性の小さい腫瘍であれば、簡単に取り除けるというメリットがありますし、悪性でも治療が可能です。手遅れにならないですむので、どちらにしても早めに治療をしましょう。

粉瘤の場合、炎症が起きる前に手術した方が傷跡も小さくてすみます。あらゆる観点から、早期治療が良いということが理解出来たのではないでしょうか。

まとめ

炎症粉瘤を切開する場合の方法を紹介しました。くり抜き法が一番確実のようですが、熟練した医師でないとかなり危険を伴います。自信を持って手術をしている医師にお願いしましょう。しかし、一番良い方法は炎症が起きてしまう前に、粉瘤を取り除いてしまうことです。粉瘤は、普通は痛みを伴わないので、ついついそのままにしてしまいますが、少しでも気になったらすぐに専門の医師に診察をお願いしましょう。皮膚科はなかなか行くことがないのですが、皮膚はとても大事なところです。定期的に診察をしてもらうことで悪性の病気も見つけることも可能です。自分で自分をケアして、後悔のないようにしましょう。

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