粉瘤の切開手術解説!粉瘤手術の価格を決める3つの要素とは?

はじめに

粉瘤の一般的な治療方法は切開手術です。皮膚の下に出来てしまう粉瘤をしっかりと切除できるので、昔から使われている治療法のひとつです。数ミリ程度の粉瘤であれば、5000円ほどで手術が出来ると知られている切除手術ですが、粉瘤の大きさによって値段が変わることがあります。今回は、粉瘤の切除手術の値段はどのようなことで決まるのかをご紹介します。身体にメスを入れるので、出来るだけ安全に、そしてあまり値段を掛けずに手術をしたいと思っている人はぜひ確認してみてください。

切開手術は粉瘤で一般的な手術方法

皮膚科ではほとんどの場合、紡錘形切除法という方法で粉瘤を切除します。紡錘形切除法は、粉瘤をメスで切り取るという治療法です。粉瘤の大きさよりもやや小さい紡錘形に皮膚を切っていき、そこから粉瘤を取り出します。粉瘤を取り出したら皮膚を縫い合わせるため、粉瘤の大きさによっては傷口が大きくなってしまいます。メスで皮膚を切るので、粉瘤の大きさに関わらず行うことが出来る治療法ですが、粉瘤と同じサイズの傷跡が残ってしまうというデメリットがあります。傷跡は2週間ほどで落ち着きますが、完全に消えるには数年かかることもあり、大きな粉瘤を切除した場合は傷が消えないこともあります。

他にも、くり抜き法という手術方法で治療することもあります。くり抜き法は、粉瘤に小さな穴を開けて、その穴から中の古い角質や皮脂、そして嚢腫壁を取り出すという手術方法です。くり抜き法は切除するのではなく穴からくり抜くという方法を使うので、傷口が小さくて済みます。そのため、首や顔、脇など、人目につく部分に出来てしまった粉瘤を治療するのに利用されることが多くなっています。皮膚科によっては対応していない場所もあるので、事前の確認が必要ですが、とてもきれいに治療できるので、手術という言葉に抵抗がある人でも気軽に受けられる治療法です。

ただし、くり抜き法の場合はあまり大きな粉瘤には対応できないため、切開手術が一般的な手術方法として定着しています。

紡錘形切除法の値段は?

保険診療の場合、どれくらいの費用が掛かるのかをご紹介します。
・診察、カウンセリング:1000円前後
・検査:超音波検査1000円前後
・手術:5000円前後
・その後複数回通院:1回1000円前後

上記の手術の費用は、数ミリの粉瘤を手術した場合の健康保険適用後の金額です。もう少し大きい粉瘤の場合はさらに値段が上がるので注意が必要です。直径5センチ程度の粉瘤であれば、健康保険が適用されて15000円になります。細かい金額は、最初のカウンセリングの時に確認するようにしましょう。
粉瘤の値段は、粉瘤の大きさに大きく影響します。粉瘤は皮膚の下に嚢腫壁と呼ばれる袋が出来ていて、その中に古い角質や皮脂が詰まって出来るものです。そのため、粉瘤が出来てから放置してしまうと粉瘤はどんどん大きくなってしまいます。顔や耳、背中など、皮脂腺が多い部分に出来た粉瘤は成長も早いので、出来るだけ早く病院で治療することがおすすめです。切開手術は日帰りで行えるので、予約をしてカウンセリングを受けた後は、すぐに手術を行うことが出来ます。その後数回通院が必要になりますが、当日のシャワーも可能ですし、あまり大きな粉瘤でなければ手術時間も5分程度で終わることもあります。粉瘤は小さいうちに切除することが基本です。

紡錘形切除法の値段が上がるのはいつ?

切除手術で値段が上がるのは、大きく分けて2つの理由です。ひとつは、粉瘤が大きくなっていること。出来初めの粉瘤は直径数ミリであることが多いのですが、放置していると場所によっては拳サイズまで大きくなることがあります。このように、サイズが大きく変わってしまうと、値段が変わる原因になります。直径数ミリの粉瘤であれば5000円程度で手術することが可能ですが、拳サイズの粉瘤になると健康保険を使ったとしても手術費用が20000円から30000円まで上がることがあります。粉瘤の手術はメスを入れる箇所が大きいと縫い合わせる場所も長くなるので、値段が上がります。

また、切除手術の値段はキレイに切らなければいけない場所で高くなることが多いです。例えば、目の近くに粉瘤が出来てしまった場合は、目を傷つけないように手術しなければいけないため、値段が上がります。また、顔や首といった人から見える部分や、耳たぶ・耳の後ろなど、手術が複雑になる場所はさらに高額になることがあります。逆に、尻や背中、太ももといった人から見えにくい部分は比較的値段が安くなっているケースがあるので、粉瘤の大きさも含めて、医師に相談するようにしましょう。予約の時にどのくらいの金額になりそうか、粉瘤の大きさや場所などを伝えると、大まかに示してくれることがあるので、気になった場合は問い合わせてみましょう。

炎症を起こしている場合も値段が高くなる

炎症を起こしているときに粉瘤の手術は出来ないので、切除手術の値段が上がります。炎症を起こしている部分にメスを入れると膿が出てきます。そういった皮膚に異常がある部分を縫い合わせたりすることは基本的に手術では行いません。炎症を起こしている場所を切ってから縫う場合、縫合不全が起こりやすいといわれているためです。縫合不全とは、縫い付けたのにうまく皮膚がくっつかないという状態のことです。それ以外にも、炎症を起こしているところを手術してしまうと、感染症になる可能性が高まることがわかっているため、炎症が起きている部分には手術を行うことは出来ません。まずは、炎症を抑える手順が必要になります。

炎症を止める方法は、粉瘤にメスを入れて中身を出して消毒することです。炎症を起こしているので中身を取り出して洗浄しないと、炎症が治まらないのです。小さな穴を開けてそこから黄色っぽい膿を出します。しっかりと出し終わったら、中身を洗浄・消毒します。その後は清潔を心がけながら、抗生物質を飲んで炎症を押さえます。抗生物質は1~2週間飲む必要があり、炎症が落ちついていることを確認してから再度粉瘤の手術を行います。炎症を止める手術に3000円、抗生物質に3000円程度かかることがあり、これは手術とは別なので、値段が上がります。

まとめ

粉瘤の手術の値段は、粉瘤自体の大きさや、出来ている場所によって前後することが多いです。粉瘤は放置するとどんどん大きくなってしまうので、安価に手術を受けたい場合は早めに病院に行くようにしましょう。背中やお尻など、人から見えない部分にある粉瘤の手術は比較的安価で、顔や首、耳などの見える位置にできた粉瘤の手術は値段が高くなることが多いです。炎症が起きている場合は、炎症を止めることが先に必要になるので、値段が上がります。ぜひ、参考にしてみてください。

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