札幌で粉瘤治療を受ける|粉瘤の手術方法には種類がある?

はじめに

粉瘤(ふんりゅう)は良性腫瘍の一種で、悪化すると炎症を引き起こし、激しい痛みを伴うこともある病気です。ただし、悪化せず痛みを伴わない場合であれば放置しても構わないのですが、完治させるためには手術が必要となります。ところで、粉瘤の手術とは、具体的にはどのような手術なのかご存知ですか?粉瘤の手術方法で一般的なものとしては、切開によるものと、くり抜き法と呼ばれる手術の大きく2つがあります。そこで今回は、札幌の人に向け粉瘤の手術方法について紹介したいと思います。

粉瘤の治療について

粉瘤は、そのまま放っておいても大きな問題にはなりません。そのため、特に害がない場合には、治療する必要はないともいえるでしょう。ただし、見た目的に気になる場合や、粉瘤のできる場所によって視界や動きの邪魔になる場合、また炎症を起こし膿が出ているような場合には治療が必要となってきます。したがって、粉瘤が急に大きくなってきたと感じた場合には、皮膚科や形成外科などで治療を受ける必要があります。

炎症を起こしている場合には、抗菌薬の投与や切開した後で排膿などを行います。初期段階の炎症であれば、抗菌薬を内服するだけで症状が改善することもあるのですが、炎症が進んでいる場合には、数日中に嚢腫壁が破れて膿が出てくるケースが多いため、手術で摘出してしまったほうがよいでしょう。粉瘤は良性腫瘍であるため、必ずしも摘出する必要はありません。しかし、美容形成目的や感染を繰り返しているような場合には、やはり手術で完治させておくのが賢明といえるでしょう。ちなみに、粉瘤は薬で完治させることはできず、手術以外に完治させる方法はありません。

手術方法には、紡錘形に切開し嚢胞を摘出する従来の方法と、「くり抜き法」と呼ばれるディスポーザブルパンチという器具を用いた方法の2つが一般的です。

従来の粉瘤手術

従来、粉瘤の手術では、切開手術で粉瘤の真上の皮膚をひし形に切って、嚢胞を作っている壁を丸ごと摘出するという手法が一般的でした。粉瘤の場所や大きさによっても異なりますが、手術時間は概ね10~30分程度です。ただし、感染による炎症を引き起こしている場合には、袋の壁が周囲にくっついてしまうため、手術時間が長くなってしまいます。術後の処置については、粉瘤の場所や大きさ、炎症の有無などによって異なります。そのため、粉瘤の手術においては、切開手術でも、後述するくり抜き法の場合でも、袋の壁を取りきった後に、皮膚を縫合するクリニックもあれば、縫合しないところもあります。また、袋をとった後の穴にガーゼをつめるといった処置を施す場合もあります。手術後、傷痕は少なからず残ってしまいますが、半年から1年程度でそれほど目立たなくなるのが普通です。心配な人は、美容形成系のクリニックなどで手術を行うのがおすすめです。

粉瘤の手術は、皮膚に穴を開けることになってしまうため、患者さんにとっては痛みがどのくらいあるのか気になるところでしょう。しかし、粉瘤の手術は、局所麻酔などを用いて行われますので、麻酔の注射を打つ際の「チクッ」とする痛みさえこらえれば、手術中の痛みはありません。また、もし痛みがある場合でも、医師にその旨を伝えれば、麻酔を追加してもらえるため問題ないでしょう。

くり抜き法

近年、粉瘤の手術では、術後の傷が小さくて済む「くり抜き法(へそ抜き法)」という手術方法が一般化しています。くり抜き法の手術は、まず粉瘤のある患部周辺に局所麻酔を施し、皮膚表面の開口部の部分にディスポーザブルパンチという直径4ミリ程度の円筒状の器具を刺し込みます。その後、表面の皮膚と一緒に「嚢胞(のうほう)」と呼ばれる袋状の構造物の一部をくり抜いていきます。くり抜いた後は、内容物と嚢胞を可能な限りかき出します。くり抜き法の場合には、クリニックにもよりますが傷口を縫わないことが一般的ですので、傷がふさがるまで2~3週間程度かかります。しかし、半年~1年程度経つことで、傷跡はそれほど目立たなくなるでしょう。

このように、くり抜き法は、従来の切開による手術と比べると手術時間が短いというメリットがありますが、いっぽうで完治するまでの時間が長くなるというデメリットもあります。さらに、足裏の表皮嚢腫の場合や、内容物が完全に固形化しているような場合には適応できません。

粉瘤の手術費用は、保険適応で5,000円~25,000円程度が目安です。背中やお腹といった露出していない部分の手術よりも、顔などの露出した部分の手術のほうが若干高くなります。また、手術費用に加え、初診料や検査費用、薬代などが別途発生しますので、詳細についてはクリニックに確認するようにしましょう。

粉瘤の手術が可能な病院とは

もし、あなたに粉瘤ができた場合には、「形成外科」、または「皮膚科」のあるクリニックを受診するとよいでしょう。もちろん、札幌にも、粉瘤に対応したクリニックはたくさんありますので、ご自分が通いやすいところに相談してみてはいかがでしょうか。ただし、粉瘤の手術をする場合には、「形成外科」を受診するのがおすすめといえます。その理由としては、形成外科の先生は手術が得意な人が多いため、ほとんどの病院が粉瘤の手術に対応していることと、手術までの流れが非常にスムーズだからです。

もちろん、皮膚科でも、粉瘤の手術に対応しているところもあります。しかし、一般的な皮膚科は、手術目的以外のお客さんもたくさんいるため混雑していることも多く、手術するまでに時間がかかってしまうケースが多くあります。また、粉瘤が単発のものや、サイズが小さいものであれば、治療してもらえる皮膚科もあるとは思いますが、粉瘤が複数あったりサイズが大きかったりする場合には、他の病院を紹介されることがほとんどです。したがって、すぐに手術が必要となる症状の粉瘤の場合には、形成外科に行くほうがよいのです。たまに、美容整形と勘違いされる人もいますので、間違えないようにしてくださいね。

まとめ

今回紹介したように、粉瘤の手術方法には、従来の切開による手術とくり抜き法の2種類があるということが理解できたかと思います。粉瘤の症状や、クリニックの方針によって、どちらの手術方法で行われるかは異なってきます。そのため、それぞれのメリットやデメリットを理解するためにも、手術前に医師に確認することが重要になってきます。それにより、自分にもっとも適した方法で手術してもらうようにしましょう。本記事が、あなたの粉瘤治療のお役に立つことができれば幸いです。

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