目次
はじめに
この記事はこんな方におススメ
いつの間にかできてしまったしこりの対処法が知りたい
切除しなきゃいけない粉瘤とそうでない粉瘤との見分け方が知りたい
粉瘤を切除するにはどんな治療法があるのか知りたい
粉瘤という病名を聞いたことがあるでしょうか。粉瘤は皮下に嚢腫という袋ができてしまい、そこに垢などの老廃物がたまってしまうことでしこりのようなものができてしまう良性の皮膚疾患です。
ネットで医師のアドバイスを見てみると、ほっておいてもいいと出てきますが、実際のところどんな状態のしこりであればほっておいてもいいのかはなかなかわかりません。
この記事では、粉瘤の治療方法と切除が必要な粉瘤の特徴や、切除の方法などを紹介します。
さらに、切除する場合はやはり傷跡が気になりますよね。できるだけ傷跡を残さず、再発しないためにはどのような医師に相談するのがベストなのかも合わせて言及します。
粉瘤の治療法はひとつだけ
主に顔や首、腕、背中や臀部などを中心に、体中のどの部分にもできる良性の皮下腫瘍のこと
実は、原因ははっきりしておらず、なんらかの原因で皮膚の内部に袋状の構造物が発生し、その袋の中に、古くなって皮膚から剥がれ落ちてしまう角質、つまり垢や皮脂がだんだん溜まっていくことによって出来上がる腫瘍です。
粉瘤と似ている症例
似たようなものに脂肪腫という脂肪のかたまりの症状と同じだと思ってる方も多いのですが、全く違うものです。
粉瘤は最初は数ミリ程度の大きさで、腫瘍の真ん中に小さな穴が空いている場合が多いことが特徴です。
粉瘤の注意点
1.大きいもので野球ボールぐらいにまで成長してしまうものがある。
2.粉瘤が破裂して袋から内容物が出てきてしまうと不快なにおいが発せられる場合がある
3.自分で「おでき」と勘違いして自分でつぶそうとしてしまう場合があ
4.放置してしまうことで炎症や化膿を起こして治療に時間がかかってしまう場合がある
粉瘤には大きくならないでそのままのものや、稀に消えてしまう場合もありますが、ほとんどの場合は徐々に大きくなっていきます。大きいもので野球のボールくらいまで成長するものもあるくらいです。袋が破れて内部が出てくるとかなり不快な臭いが発せられます。
粉瘤に炎症が起きてもただのおできだと勘違いして、そのままにする人や自分で無理やり潰して膿を出してしまおうとする人がいますが、絶対にやってはいけません。
悪化してかなり重篤な状態になってしまうこともあります。皮膚の病気は自分で判断せずできるだけ早くに医師に相談しないと、治療に時間がかかり、跡が残る可能性が増えます。
粉瘤の場合、完治するには切除しか方法はありません。
炎症が起こりやすい粉瘤は切除
粉瘤はどのぐらいの確率で炎症する?
粉瘤は良性腫瘍で特に痛みはありません。そのため、基本的には切除する必要はないといえます。つまり除去の必要があるかないかは、粉瘤を持っている患者さん自身が決心することです。それでは、一生放っておいても問題はないのでしょうか?中には運よく全く問題が生じないまま粉瘤を持ったまま一生を終える人もいます。しかし粉瘤が炎症してしまう可能性もあるのです。
粉瘤が炎症したらどこでわかる?
炎症した粉瘤は赤く腫れ上がり熱を持ちます。場合によっては、発熱は粉瘤だけにとどまらず、体全体に広がる可能性もあります。また炎症してしまった粉瘤は痛み、または強いかゆみを伴います。痛みやかゆみは我慢できないくらいです。それは粉瘤の内部に膿が溜まってしまった状態で、感染しているのです。感染している、または異物反応を起こしているため、膿が出ています。
炎症を起こしやすい部位の特徴とは
炎症が起こるのは、だいたい臀部(でんぶ)、つまりお尻にできている場合に多いようです。それは、座った場合に体重のほとんどがお尻を圧迫するからです。また、目に見える場所にある粉瘤もまた同様に炎症する可能性が高いといえます。それは気になってついつい触ってしまうからです。触るだけではなく押しつぶそうとする場合もあるでしょう。そのため、炎症が起きる可能性の高い臀部と顔や首、腕などにできた粉瘤は切除したほうが良いといえます。
炎症発生後の粉瘤の対処法
炎症発症後の対処法と発生後の注意点
粉瘤はついそのままにしている場合が多い皮膚の病気の一つです。しかし、炎症が起こってしまうと痛みが伴い、熱も出るので大変です。炎症が起きてしまったら、応急処置として切開法があります。
炎症した粉瘤の一部に穴を開けて、そこから溜まっている内部の膿や垢などを取り除く方法です。内部にたまっている膿を取り除くとしばらくすると炎症は治ります。
つまり一度炎症が起こったということは、また垢が溜まって炎症が起きる可能性があるということです。この場合は、粉瘤を切除する必要があります。何度も炎症が起きると粉瘤の袋状の壁が癒着を起こしてしまうからです。癒着が起こると、ますます袋を取り除くのが困難になります。
炎症後に再手術をする際の注意点
粉瘤を何度も繰り返すとだんだん性質がかわってしまう可能性があり悪性の腫瘍になる可能性も出てきます。そのため、その前に粉瘤を切除してしまったほうが良いのです。
ただし、炎症が起きて切開したばかりの粉瘤は手術ができません。炎症を起こした皮膚は、縫合が難しいので、うまく皮膚がくっつかず、結果的に醜い跡ができてしまうからです。皮膚の状態が良くなるのを待って手術を行いましょう。
粉瘤の手術は何科に行くべきか
粉瘤は本当に手術以外では治らないのか?
粉瘤は良性の皮膚腫瘍であるため、飲み薬や塗り薬などの投薬で自然に消えてしまうことはないと考えられます。さらに、粉瘤が炎症を起こす原因や、粉瘤が大きくなってしまう原因はわかっていますが、なぜ皮下に嚢腫ができてしまうのかはわかっていません。
そのため、炎症を抑えるための抗生剤として薬を飲み、炎症の鎮静化を試みることはあります。しかし、嚢腫の中の老廃物そのものや、嚢腫を消滅させることはできないため根本的な解決にはつながらないのです。
手術を頼むなら美容外科?皮膚科?形成外科?
完治を目指すのであれば切除することが理想です。切除手術をするとなるとやはり手術に慣れた医師に頼むほうが、技術的な面で信頼できます。切った跡が残らないように手術をしてもらいたいと思うのが自然なことです。
粉瘤の治療は、一般的には皮膚科もしくは、耳鼻咽喉科で行うことが多いです。しかし、皮膚科の先生でなかなか粉瘤の手術にまで手が回る方は稀です。そのため、手術自体は形成外科や美容外科で行う場合が多いです。
形成外科医は、体の傷をきれいに直すことを目的とした専門医です。 傷を残さないような手術をすることを望んでいるのであれば、やはり形成外科医がベストでしょう。
美容外科も同様に、手術をきれいに行うことのプロですが、美容外科の場合保険が適用されずに自由診療となってしまう場合が多く、治療にかかる費用は全く異なります。そのため粉瘤を手術で除去するのならば、形成外科の方がおすすめなのです。
粉瘤の手術方式
切除する方法には2種類の方法があります。ひとつは従来の「切開法」という方法で、腫瘍の形の2〜3倍の長さのラグビーボールのような形に皮膚を切開して袋ごと摘出する方法です。デメリットはかなり傷が大きく残るということです。
一方くり抜き法は小さな穴を開けてそこから袋ごと内容物を全部取り出す方法です。傷を縫わないので傷跡が残りにくく、抜糸の必要がないので体への負担も少なくて済みます。
ただこの方法はかなり外科医としての技術が必要です。そのため、形成外科医に頼むことになります。
まとめ
粉瘤の治療法について紹介しました。やはり形成外科医の先生に手術をお願いしたほうがいいのかもしれません。袋をきちんと取り除いたら再発はしないようです。体の部位にもよりますが、できるだけ傷跡を残さないような方法で切除をしてほしいですね。できるだけ粉瘤が大きくならないうちに信頼できる医師にお願いして切除しましょう。手術は形成外科医だとしても、まずは皮膚科で診察をしてもらい、どういう種類の腫瘍なのか、ちゃんと診断してもらいましょう。