はじめに
粉瘤を放置していると中が炎症を起こしてしまうことがあります。炎症を起こしている場合、そのまま手術を行うことは基本的になく、まずは炎症を抑えることから始めることが多いです。炎症が治まってからの手術になるので、基本的に炎症を起こしている粉瘤はプラスで料金を取られることが多いです。今回は、炎症を起こしている粉瘤はどんな治療をするのか、値段とあわせてご紹介します。粉瘤は出来るだけ炎症を起こす前に病院で治療しましょう!
炎症を起こしている粉瘤とは
粉瘤は、皮膚の下に腫瘍が出来ているもののことを言います。嚢腫壁と呼ばれる袋状のものが皮膚の下に出来てしまって、その中に古い角質や皮脂が溜まってしまうとボール状の粉瘤になります。顔や首、耳や肩、背中、尻などに出来ることが多く、ぽっこりと膨らんでいるものの、痛みがないので放置する人が多いです。
粉瘤を放置すると、炎症を起こすことがあります。嚢腫壁の中に古い角質や皮脂が溜まっている状態が続いているのですが、そこが膿んでしまったり炎症を起こしてしまいます。炎症を起こすと粉瘤全体に痛みが発生して、さらに全体的に赤みがかっています。痛みが発生してから慌てて病院に駆け込む人が多いようですが、粉瘤は炎症を起こす前に病院で治療を受けるようにしましょう。粉瘤を無理矢理押して中身を出すという行為を定期的に行っていると、押し出した後に中に細菌が入り込んで炎症を起こす可能性があります。それ以外にも、皮膚の奥で弾けてしまって炎症に至る場合があります。粉瘤の炎症の原因はほとんどが皮膚の奥で弾けてしまう場合が多いです。粉瘤の中身は古い角質や皮脂なので、それが炎症を起こして膿むと、悪臭の原因になったり、日常生活を送っていただけでも突然粉瘤が破裂することがあるようです。
炎症を起こしている粉瘤はすぐ手術できない
炎症を起こしているときに粉瘤の手術は出来ません。これは粉瘤に限らず身体全体に言えることです。炎症を起こしている部分にメスを入れることは可能なのですが、縫い合わせたりすることは基本的に出来ません。炎症を起こしている場所を切ってから縫う場合、縫合不全が起こりやすいです。縫合不全とは、皮膚を縫い付けたのにうまくくっつかない、変な形でくっついてしまうというものです。粉瘤は大きいサイズのものもあるので、傷跡が大きく残ることも考えられます。そのため、炎症を起こしている部分に対しての治療はすぐに行うことは出来ません。それ以外にも、炎症を起こしているところを手術してしまうと、術後感染症になる可能性が高まるため、基本的には炎症が起きているところには手術を行うことは出来ません。
しかし、粉瘤の治療をしようと病院に行く人のほとんどが、すでに炎症を起こしていて、痛みを解消するために治療を受けるという状態です。炎症が起こっている粉瘤に対しては、炎症を抑える手術を行ってから、切除の手術に入ることが多いです。
ただし、くり抜き法に関しては「縫う」という行為をしないので、炎症が起こっている粉瘤に直接手術を行うことが出来ます。その場合、粉瘤を取り出してから抗生物質などを飲みながら炎症を抑えていくという方法で行います。
炎症を止める手術が必要
炎症を起こしている場合、まずは炎症を鎮めることから始めます。炎症を起こしている状態だとうまく治療が出来ないため、さきに炎症を止めることが重要になります。炎症を止める方法は、粉瘤にメスを入れて中身を出して消毒することです。炎症を起こしているので中身を取り出して洗浄しないと、炎症が治まらないのです。小さな穴を開けてそこから黄色っぽい膿を出します。しっかりと出し終わったら、中身を洗浄・消毒します。その後は清潔を心がけながら、抗生物質を飲んで炎症を押さえます。抗生物質は1~2週間飲む必要があり、炎症が落ちついていることを確認してから再度粉瘤の手術を行います。
紡錘形切除法の場合はこのような手順が必要になるので、治療に時間がかかります。紡錘形切除法の場合は炎症が落ちついてから身体にメスを入れて粉瘤を取り出していきます。紡錘形にメスを入れて、粉瘤を取り出したら縫い付けて終了です。それから抜糸などを繰り返して、傷跡が薄くなるまで通院します。
くり抜き法の場合は、穴を開けて中身を取り出すので炎症していても問題ありません。なので、炎症を止める手術は必要なく、粉瘤の中心に穴を開けて膿や中の粉瘤、嚢腫壁を取り除きます。比較的簡単に行える手術ではありますが、あまり大きな粉瘤には出来ない手術なので、大きい粉瘤は炎症を抑える手術をした後に、紡錘形切除法で取り除きます。
炎症を起こしている粉瘤の手術費用
粉瘤の手術は健康保険が適用するので、比較的安価に行うことが出来ます。ですが、炎症を起こしている場合は炎症を抑える治療が必要になるので、その分余計に治療費がかかる場合があります。炎症を抑える手術自体は3000円程度で、それ以外に抗生物質の薬代が3000円程度かかります。粉瘤の大きさや、炎症の程度によって手術費用や抗生物質の服用期間が変わるので、診察の時に確認するようにしましょう。炎症を抑える手術は、膿を出すので痛みを感じることが多いようですが、病院によっては麻酔を使ってくれるので、そこは医師に相談してみましょう。痛みが強い場合は伝えておくとよいでしょう。
通常の粉瘤の手術は、直径数ミリの粉瘤のサイズで5000円だと言われています。健康保険が適用するので手術自体はとても安価です。ただし、粉瘤のサイズが大きい場合は手術費用も高くなります。サイズが直径5センチ程度だと15000円かかることが多いので、病院に予約を入れる時点で確認してみましょう。病院によってはその日のうちに手術を行ってくれるところもあるので、炎症を起こす前に手術を行うようにしましょう。炎症を起こすと治療に時間がかかりますし、身体にも負担になるので、早めに治療をうけることをおすすめします。
まとめ
粉瘤は時間がたつと肥大化したり、炎症を起こすなどのデメリットがあります。炎症を起こした場合は、炎症を止める治療が手術の前に入るので、その分の料金が加算されてしまいます。くり抜き法を使えば炎症が起きていてもそのまま手術が可能ですが、炎症している人は抗生物質を処方されることもあります。抗生物質の服用期間は炎症の度合いによるので、その分料金がプラスになります。炎症を起こすと痛みも増すので、粉瘤は炎症を起こす前に治療を行うようにしましょう。