放置はだめ?粉瘤の治療をするなら病院に行くべき3つの理由

はじめに

顔や首、背中、尻、耳などに出来る皮膚の下の良性腫瘍である粉瘤(ふんりゅう)は、痛みなどがない腫瘍として知られています。痛みなどがないので放置してしまいがちですが、放置してしまうとどんどん大きくなってしまいます。放置してしまうと粉瘤の中が炎症を起こしてしまい、痛みが出たり、膿みが出ることがあります。そのため、粉瘤はあまり放置しない方がよく、早めに治療する必要があります。粉瘤を治療する場合に病院に行くべき理由についてをご紹介します。

粉瘤は自宅で回復は出来ない

粉瘤は良性腫瘍ではありますが、ホームケアやセルフケアでは治療することは出来ません。粉瘤を治す飲み薬というものもなく、現在は病院で手術をすることでのみ治療することが出来ます。粉瘤は皮膚の下に嚢腫壁と呼ばれる袋状のものが出来てしまい、そこに古い角質や皮脂が詰まってしまうと出来てしまうものです。ニキビの跡や虫刺されの跡など、すでに傷ついた場所に出来やすいと言われていますが、傷がない場所にも出来ることがあるので、直接的な原因はまだ解明されていません。粉瘤自体は痛みがないので、すぐに治療や手術を考えない人が多いです。ですが、粉瘤は大きい場合、拳くらいの大きさにまで成長することがありますし、出来る場所によっては人から見えてしまうので、出来るだけ早めに治療することがおすすめです。

自宅でケアしようと考える人の多くが、粉瘤の中身を出すということを行っています。粉瘤は袋の中に古い角質や皮脂が詰まっている状態なので、指で押すと中からどろりとした白い液体が出ることがあります。ニキビの様につぶして中身を出している、という人もいますが、これは治療には当たりません。粉瘤は中身を出してもまた角質や皮脂が詰まっていくだけなので、粉瘤自体がなくなるわけではありません。手術によって粉瘤を取り除くことが現在の治療法であり、無理矢理中身を出していると感染症になったり、中が炎症してしまう恐れがあるので避けるようにしましょう。

粉瘤の治療は手術しかない

顔や首、脇、背中、尻などによく出来る良性腫瘍の粉瘤ですが、治療法は手術で嚢腫壁を取り除くことです。嚢腫壁がなくならない限り、皮膚の下に袋がある状態が保たれてしまうので、皮脂や角質が蓄積してしまいます。手術は粉瘤を取ることよりも嚢腫壁を取り除くことが目的になります。

粉瘤の場合、メスで切り取る紡錘形切除法、くり抜き法があります。ここまで聞くとかなり大掛かりな手術のような気がしますが、手術は日帰りで行えますし、費用も比較的安価です。ただし、身体にメスや穴を開けるなど、傷をつけることがあるので、身体に小さな傷が残ることがあります。紡錘形切除法の場合は粉瘤をメスで切って縫い合わせるので、粉瘤と同じ大きさの傷が出来ます。くり抜き法の場合は、粉瘤に2~5ミリの穴を開けて中身を取り出すものなので、小さな傷跡が残ることがあります。粉瘤が大きくなればなるほど傷跡が大きくなってしまったり、値段が大きくなってしまったりとデメリットが多くなるので、粉瘤は早めに治療することがおすすめです。粉瘤が出来たときは直径数ミリであることが多いので、手術の痕が残りにくいです。ですが、長期間放置してしまうと拳サイズまで腫れあがってしまうこともあります。また、中が炎症を起こしていると、炎症を止めてからの手術になるので、より一層、傷跡が残りやすくなります。

手術にはどんな方法があるのか

一般的な粉瘤の手術に「紡錘形切除法」と「くり抜き法」の2つがあります。
紡錘形切除法は、その名の通り、粉瘤をメスで切り取る方法です。粉瘤を紡錘形にカットして嚢腫壁を粉瘤ごと切り取ることが出来る治療方法です。メスで切るので、粉瘤の大きさに関わらず行うことが出来る治療法ですが、炎症を起こしている粉瘤には使うことが出来ない治療法でもあります。メスで切り取る方法なので、粉瘤と同じサイズの傷跡が残ってしまうことがあります。ですが、嚢腫壁をきれいに切り取ることが出来るので、再発の心配は限りなく少ないです。比較的大きな粉瘤も切除することが出来るので、一般的に使用されている手術方法です。

くり抜き法は、粉瘤に小さな穴を開けて、その穴から中の古い角質や皮脂、そして嚢腫壁を取り出すという手術方法です。くり抜き法は切除するのではなく穴からくり抜くという方法を使うので、傷口が小さくて済みます。そのため、首や顔、脇など、人目につく部分に出来てしまった粉瘤を治療するのに利用されることが多くなっています。皮膚科によっては対応していない場所もあるので、事前の確認が必要ですが、とてもきれいに治療できるので、手術という言葉が聞きなれていない人でも気軽に受けられる治療法です。

粉瘤の手術は健康保険が適用されるので、治療費も大きくかからないというメリットがあります。

粉瘤の治療と流れを紹介

粉瘤の治療の流れをご紹介します。まずは、病院に予約を入れるようにしましょう。当日すぐに手術をしてくれる皮膚科や整形外科が多いので、事前予約を行うとスムーズです。予約の電話では、粉瘤の大きさ、粉瘤がある場所、いつごろからあるか、痛みはあるかなどを事前に伝えておくようにしましょう。病院に行ったら、次は実際に粉瘤の確認を行います。超音波検査、レントゲン、血液検査などを行ってから、実際に手術に移ります。手術を行うときには、麻酔を注射します。紡錘形切除法の場合はそこからメスで切り取って縫い合わせます。くり抜き法の場合は穴を開けて中身を取り出します。粉瘤の大きさにもよりますが、数ミリの粉瘤であれば5分程度で手術を終えることが出来ます。
手術が終わっても通院が必要です。紡錘形切除法の場合は抜糸時や抜糸後に傷が残らないようにケアをするために数回通う必要があります。実際に切開しているので、傷跡が残らないように保湿テープなどを使って長期的に治療するところもあります。くり抜き法の場合は、中身が無くなったので皮だけが残った状態です。中身を洗浄するために通院する必要があります。嚢腫壁は取り出しているので、皮膚が落ちつくまでのケアをしていきます。くり抜き法も小さいうちに手術すれば傷跡もケアにかかる時間が短縮できます。

まとめ

粉瘤の手術は自宅では行えないので、病院で治療を受けるようにしましょう。ホームケアは逆効果になることがあるので、基本的にはそのまま病院に行った方が治療にかかる時間もケアにかかる時間も短くて済むケースが多いです。手術は予約が必要で、当日の手術が可能です。入院なども必要ないので、粉瘤が小さいうちに手術をしてしまった方が痛みもなくケアも楽になります。粉瘤で悩んでいる人は自宅であれこれ悩まずに、医師に相談するようにしましょう。

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