【粉瘤手術】レーザー治療、くり抜き法比較まとめ

粉瘤の治療は手術のみ

顔や首、脇、背中、尻などによく出来る良性腫瘍「粉瘤(ふんりゅう)」ですが、薬などの治療法はなく、手術が必要です。粉瘤は嚢腫壁を取り除かない限り、皮膚の下に袋がある状態が保たれてしまうので、皮脂や角質が蓄積してしまいます。手術によって嚢腫壁を取り除くことが目的になります。粉瘤は指で押すと、中から黄色っぽい液体が出てくることがあります。ニキビように押し出して済ませしまおうと考える人もいるようですが、中から出てきたのは蓄積している角質や皮脂で、嚢腫壁がそのまま残っているので完治には至りません。逆にしこりのように残ってしまって、また嚢腫壁に皮脂や角質が溜まってしまい、また粉瘤が出来てしまいます。皮膚の中にある嚢腫壁を取り除くには、皮膚の中の嚢腫壁を切り取ったり、掬い取ったりするしかありません。

粉瘤の場合、メスで切り取る方法、くり抜き法、レーザー治療などがあります。ここまで聞くとかなり大掛かりな手術のような気がしますが、手術は日帰りで行えますし、費用も比較的安価です。なので、出来るだけ早めに治療を受ける必要があります。粉瘤は放置していても問題のない良性の腫瘍ではあるのですが、中身を押し出していると傷口から細菌が入り込み感染症になったり、中で炎症を起こしてしまって痛みを感じたり、悪臭が出たりすることもあります。放置しすぎていいことはないので、出来るだけ早めに治療しましょう。

どんな手術があるのか

一般的に、手術の方法は3つあります。紡錘形切除法、くり抜き法、レーザー治療です。
紡錘形切除法は、粉瘤をメスで切除する方法です。紡錘形に粉瘤をカットして嚢腫壁ごと切り取ります。麻酔を打った後にメスでカットして、縫い合わせるのが基本です。粉瘤を直接切り取る方法なので、粉瘤と同じサイズの傷跡が残ってしまいます。嚢腫壁をきれいに切り取ることが出来るので、再発の心配は限りなく少ないです。比較的大きな粉瘤も切除することが出来る手術方法です。

くり抜き法とは、特殊な器具を使って、粉瘤に小さな穴を開けます。その穴から中の古い角質や皮脂、嚢腫壁などを取り出すという手術方法です。くり抜き法はメスを使わずに小さな穴を使ってくり抜いていくので、傷口が小さく済みます。首や顔、脇などの人目につく部分は出来るだけ傷跡を残したくないと思う人が多いです。そういった場所にはくり抜き法が使われます。

レーザー治療は、レーザーを使って粉瘤自体を切り取ります。紡錘形切除法と似ていますが、基本的には傷跡が残りにくく、きれいに切除できると人気です。レーザー治療を取り扱っていない病院もあるので確認が必要ですが、炎症が起きていたり、少し大きめの粉瘤であっても取り除くことが可能な手術方法です。

くり抜き法のメリット・デメリット

くり抜き法は、粉瘤の手術のなかで一番オーソドックスに行われているものです。器具で穴を開けて中身を取り出していくという方法なので、傷口が小さく、手術時間も5分程度で行うことが出来る手軽な手術です。保険が適用されるので、手術費用は5000円程度で済みますし、あまり大きな手術でなければ粉瘤の手術はくり抜き法がおすすめです。
また、くり抜き法は、粉瘤が炎症を起こしていても起こしていなくても行える治療法です。炎症を起こしている場合は出来るだけ早めに治療が必要なので、手軽に手術が出来るくり抜き法を選ぶ医師も多いため、一般的に使われる治療法となっています。

くり抜き法のデメリットは、あまり大きすぎる粉瘤には使えないことです。粉瘤は大きいものだと直径1センチを超えてしまいます。そのような大きな粉瘤の場合、穴を開けてくり抜くときに取り残しが発生しやすくなってしまうのです。粉瘤は嚢腫壁をしっかりと取り除くことがとても重要なので、嚢腫壁が残ってしまうと再発の恐れもあります。直径1センチ程度まではくり抜き法で治療することが出来ますが、それ以上の大きさになるとくり抜き法が使えないと考えてよいでしょう。その場合、大きい粉瘤の手術も行えるレーザー治療が採用されることが多いです。

レーザー治療のメリット・デメリット

くり抜き法とレーザー治療を比較した時に、費用面・時間面で考えてもくり抜き法の方がメリットが多いです。基本はくり抜き法を使うようにして、くり抜き法が使えない粉瘤はレーザー治療と考えておくとよいでしょう。

レーザー治療の場合、粉瘤が大きくなりすぎていても使える、傷跡が目立ちにくいというメリットがあります。デメリットは費用が高いということです。くり抜き法は手術時間も短く、値段も安いですが、レーザー治療の場合は準備などにも時間がかかるため、どうしても費用面が高くなってしまいます。
・1センチ前後の粉瘤：7,500～8,500円
・1センチ以上の粉瘤：～15,000円

ただし、ほくろやイボの除去にも使われるレーザー治療は、限りなく傷跡が残らないことでも知られています。お金をかけてでもきれいに取りたいという人にはおすすめの治療法です。レーザーで粉瘤を切除するので、複数回通院する必要があります。そこで消毒や経過観察などを行ってくれるので、再発もしにくいです。レーザー治療とくり抜き法のどちらがよいかというのは人によって異なって、どこに重きを置くかによって決まってきます。値段、粉瘤の大きさ、通院のしやすさ、傷跡の大きさなど、医師と相談するようにしましょう。

まとめ

粉瘤は手術しか治療法がないので、粉瘤だとわかったら出来るだけ早く治療を行う必要があります。くり抜き法とレーザー治療法はそれぞれメリット・デメリットがあるので、手術する際に何を一番に考えるのかを医師と相談しましょう。傷跡を出来るだけ残したくないのであればレーザー治療法、時間やお金をあまりかけたくない場合はくり抜き法がおすすめです。どちらにもメリット・デメリットがあるので、粉瘤の手術の参考にしてみてください。