腫れ上がった粉瘤でも大丈夫?手術痕を抑える手術法紹介

はじめに

粉瘤は大きいものだと数ミリから2センチ程度まで大きくなることがあります。あまり大きな粉瘤の場合、一般的なくり抜き法と呼ばれる治療法が使えず、粉瘤を直接切り取る紡錘形切除法の選択肢しかありませんでした。紡錘形切除法の場合、粉瘤と同じくらいの大きさの傷跡が残ってしまうため、身体に負担が大きかったのですが、レーザー治療を行うことで、大きく腫れあがった粉瘤の治療も出来るようになりました。今回は、粉瘤のレーザー治療についてご紹介します

目次

  1. 粉瘤の基本的な大きさとは確認
  2. 粉瘤の手術方法解説
  3. 粉瘤手術のデメリット
  4. デメリットを抑えるレーザー治療

粉瘤の基本的な大きさとは確認

粉瘤(ふんりゅう)は、だんだんと大きくなっていく良性の腫瘍です。顔、首、耳、背中、尻、脇などに出来ることが多く、治療法は粉瘤自体を取り除く「手術」しかありません。薬治療などが出来ないため、手術をするのは…と、しり込みしてしまい、どんどん粉瘤が大きくなってしまうというケースが多いです。粉瘤は、皮膚の下に嚢腫壁(のうしゅへき)という袋状のものが出来てしまい、その袋の中に古い角質や皮脂が詰まって出来るものです。

基本的には痛みがないので、そのまま放置してしまう人もいるようです。放置していると、突然小さくなったり、逆に大きくなったりします。大きくなるのが一般的で、身体から排出するはずだった皮脂や角質が溜まっていくので、どんどん肥大化していきます。

粉瘤のサイズとしては、出来初めは直径2~5ミリ程度です。だんだんと大きくなっていき、手術を考え始めるようになるのが直径1センチくらいからです。場所によっては、粉瘤が直径2センチくらいまで大きくなる可能性があるので、放置しすぎない方がよいでしょう。粉瘤はドーム状に肥大化していくので、ボールのように膨らんでいきます。直径2センチになるとかなり大きい状態です。

粉瘤は手術でしか治療が出来ないので、切除をするのが一般的です。切除の手術方法にもメリット・デメリットがあるので確認してから皮膚科に行くようにしましょう。

粉瘤の手術方法解説

一般的な粉瘤の手術には2種類の方法が採用されます。「紡錘形切除法」と「くり抜き法」の2つです。
紡錘形切除法は、その名の通り粉瘤を切除する方法です。紡錘形に粉瘤をカットして嚢腫壁ごと切り取ることが出来る治療方法です。まずは患部に麻酔を注射して、そこからメスで切り取るのが一般的です。切り取る方法なので、粉瘤と同じサイズの傷跡が残ってしまうことがあります。ですが、嚢腫壁をきれいに切り取ることが出来るので、再発の心配は限りなく少ないです。比較的大きな粉瘤も切除することが出来るので、一般的に使用されている手術方法です。

くり抜き法は、粉瘤に小さな穴を開けて、その穴から中の古い角質や皮脂、そして嚢腫壁を取り出すという手術方法です。くり抜き法は切除するのではなく穴からくり抜くという方法を使うので、傷口が小さく済みます。

そのため、首や顔、脇など人目につく部分に出来てしまった粉瘤を治療するのに利用されることが多くなっています。皮膚科によっては対応していないところもあるので、事前の確認が必要ですが、とてもきれいに治療できるので、手術という言葉が聞きなれていない人でも気軽に受けられる治療法です。

粉瘤の手術は保険を適用できるので、治療費も大きくかからないというメリットがあります。

粉瘤手術のデメリット

紡錘形切除法、くり抜き法にはいくつか欠点があります。
紡錘形切除法は大きく腫れあがった粉瘤でも治療が可能です。しかし、傷跡が大きく残ってしまうことが欠点のひとつです。また、粉瘤の中が炎症を起こしている場合は痛みが酷くなってしまうため紡錘形切除法は使うことが出来ません。大きく腫れあがった粉瘤も治療できますが、炎症を起こしていないことが前提になってしまうのです。

くり抜き法は、炎症を起こしていても起こしていなくても行える治療法です。傷跡も小さいですし、今後主流になる手術方法と言えます。ですが、あまり大きすぎる粉瘤には使えないというデメリットがあります。直径1センチ程度まではくり抜き法で治療することが出来ますが、それ以上の大きさになるとくり抜き法が使えません。無理矢理使うことも出来ますが、嚢腫壁の取り逃しなどがあるため再発するリスクが高まります。

一般的に行われる治療法では「大きく腫れあがった炎症している粉瘤の治療」や「大きく腫れあがった粉瘤を傷跡を残さないように治療」することが難しくなっているのです。そのため、早期治療が推奨されています。早期治療であればサイズが大きくなりすぎていることは少ないです。粉瘤はあまり大きくなる前に取り除くのがおすすめです。

デメリットを抑えるレーザー治療

粉瘤の治療にレーザーが使われることがあります。レーザー治療は、ほくろやイボを取り除くときに使われるものですが、粉瘤の治療にも使うことが出来ます。メリットとしては、どんな大きさの粉瘤でも取り除くことが出来るという点です。レーザー治療の場合、最大12センチまでの治療が可能なので、粉瘤であれば問題なく治療することが可能です。

レーザー治療の場合は傷跡が目立ちにくいので、紡錘形切除法では出来なかった大きく腫れあがった粉瘤を傷跡を小さく治療することが可能です。そして、炎症を起こしていても治療することが出来ます。大きく腫れあがって炎症を起こしている粉瘤の治療も行うことが可能なのです。

レーザー治療であれば、粉瘤の治療をとても楽に行うことができます。ただし、その分値段が高くなるので、医師と相談しましょう。
・1センチ前後の粉瘤:7,500~8,500円
・1センチ以上の粉瘤:~15,000円

紡錘形切除法やくり抜き法は5,000円で行えるのですが、レーザーの場合はそれよりも少し高めです。粉瘤が大きく腫れあがっている場合は、レーザー治療も出来る皮膚科を選ぶようにしましょう。レーザー治療も選択肢に入れた状態で医師と相談することで、手術の幅が広がっていきます。病院によってはレーザー治療に対応していないところもあるので注意が必要です。

まとめ

粉瘤を放置してしまうと大きく腫れあがってしまうことがあります。紡錘形切除法やくり抜き法では出来ない治療法もあるので、あまりにも大きい場合はレーザー治療が出来る皮膚科を利用するようにしましょう。レーザー治療はイボや脂肪種の除去にも使われていて、現在医療の現場で一般的に使われている治療方法です。炎症が起きている粉瘤であっても、大きく腫れあがっていても治療できる方法なので、粉瘤が大きくなっている人はぜひ参考にしてみてください。

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