アテロームを治すには手術しかない?~アテロームの手術法まとめ~

はじめに

首や耳、尻や背中に出来るアテロームは、良性の腫瘍です。良性の腫瘍であれば基本は放置してしまってもよいのですが、アテロームの場合はどんどん大きくなっていったり、中が炎症を起こす危険もあるので、早めに対処することを求められます。アテロームを取るための手術にはどんな種類があるのか、どんな手順で行われるのかを今回、詳しく解説します。それぞれのメリット・デメリットをよく理解して手術方法を選ぶようにしましょう。

目次

  1. アテロームの治療法は「手術」
  2. 紡錘形切除法とはどんな手術か
  3. くり抜き法とはどんな手術か
  4. レーザー治療法とはどんな手術か

アテロームの治療法は「手術」

顔や首、脇、背中、尻などによく出来る良性腫瘍であるアテロームは薬などの治療法はなく、手術が必要です。アテロームは皮膚の中に嚢腫壁と呼ばれる袋ができ、その中に本来体外に排出するはずの皮脂や角質が溜まっていって出来てしまいます。この嚢腫壁を取り除かない限り、皮膚の下に袋がある状態が保たれてしまうので、皮脂や角質が蓄積していきます。アテロームの治療はこの嚢腫壁を取り除く手術が基本です。皮膚の中にある嚢腫壁を取り除くには、皮膚の中の嚢腫壁を切り取ったり、掬い取ったりするしかありません。

アテロームの場合、メスで切り取る方法、くり抜き法、レーザー治療などがあります。ここまで聞くとかなり大掛かりな手術のような気がしますが、手術は日帰りで行えますし、費用も比較的安価です。アテロームは放置していても問題のない良性の腫瘍ですが、中身が炎症を起こしてしまうと痛みを感じてしまいます。また、傷口から細菌が入って感染症になる可能性もあるため、長期間の放置は危険です。出来るだけ早めに治療しましょう。紡錘形切除法、くり抜き法、レーザー治療法にはそれぞれメリット・デメリットがあり、手術できるアテロームも異なります。アテロームの手術をするときは医師に相談するようにしましょう。

紡錘形切除法とはどんな手術か

紡錘形切除法は、その名の通りアテロームを切除して嚢腫壁を取り出す方法です。アテロームをメスで紡錘形に切り取ります。まずは患部に麻酔を注射して、そこからメスで切り取るという手順で手術を行います。手術後は切り取った場所を縫い合わせます。アテローム全体を切り取るので、アテロームと同じサイズの傷跡が残ってしまうことがあります。ですが、嚢腫壁をきれいに切り取ることが出来るというメリットがあります。比較的大きな粉瘤も切除することが出来るので、一般的に使用されている手術方法です。
デメリットとしては、炎症を起こしているアテロームには使用できない手術法ということです。アテロームの内部が炎症を起こしていると、痛みが生じているため、そこにメスを入れるのは難しいためです。
皮膚科によっては、当日手術を行うことが可能です。予約をしてから病院に行き、アテロームの状態を確認し、問題がなければすぐに手術を行います。手術後は縫い合わせるので、後日抜糸のために来院する必要があります。そこで肌がしっかりくっついていることを確認すれば、手術完了です。保険が適用されるので、料金は5千円前後です。アテロームの確認のためにレントゲン撮影などがあるともう少し高額になることが多いです。

くり抜き法とはどんな手術か

くり抜き法は、アテロームの手術のなかで一番オーソドックスに行われているものです。アテロームの中心に器具で穴を開けて、そこから中身を取り出していくという方法なので、傷口が小さく済むことで人気になっています。手術時間も5分程度で行うことが出来る手軽な手術です。傷口が小さいので縫い合わせることもなくそのまま終了することが多いです。くり抜き法は、アテロームが炎症を起こしていても起こしていなくても行える治療法です。炎症を起こしている場合は出来るだけ早めの治療が必要なので、手軽に手術が出来るくり抜き法を選ぶ医師も多いため、一般的に使われる治療法となっています。デメリットは、あまり大きすぎるアテロームには使えないことです。アテロームは大きいものだと直径1センチ以上になっていることがあり、大きなアテロームの場合、穴を開けてくり抜くときに取り残しが発生しやすくなってしまうのです。その場合はくり抜き法以外の手術方法が使用されます。
アテロームの手術も当日行えます。予約をして、アテロームの状態を確認してから手術を行います。保険適用の手術なので、くり抜き法も比較的安価に行えます。5千円程度で手術を行うことが可能で、手術時間も短いので出来るだけ早く治療を受けるようにしましょう。

レーザー治療法とはどんな手術か

レーザー治療法は、アテロームをレーザーを使って切除する方法です。メスで切除する方法と比較しても傷跡が残りにくい治療法です。レーザー治療法は、イボの切除やシミやほくろを消すことに使われているので、アテロームの除去にも効果的です。アテロームが大きすぎるとくり抜き法が使えず、紡錘形切除法の場合は炎症を起こしていると使用できません。レーザー治療法の場合はそういったことはなく、大きいもので12センチまでのものを除去することが可能です。炎症を起こしていても問題なく手術が出来るので、万能な手術方法と言えます。
レーザー治療法を行う場合は、まずはカウンセリングが必要になります。その日にレーザー手術を受けられる病院もあれば、別日にまた病院に行かなければいけないところもあるので、事前の確認が必要です。レーザー手術は20~30分程度かかることがあります。ほとんどの場合麻酔をするので痛みは感じません。その後、数回病院に消毒と経過観察のために行く必要があります。他の二つの手術よりも手間はかかりますが、綺麗にアテロームを取り除くことが可能です。費用面は少し高めで、保険は適用しますが8千円から1万5千円程度かかることがあります。これはアテロームの大きさに寄るので、値段などもカウンセリングの時に確認しましょう。

まとめ

アテロームの手術には、大きく分けて3つの種類があることをご紹介しました。メスで切り取る紡錘形切除法、穴を開けて中身を取り出すくりぬき法、レーザーで切除するレーザー治療法です。それぞれメリット・デメリットがありますが、アテロームの手術は比較的安価で、手術自体は日帰りで行えるので、身体に出来たアテロームのサイズや状態を確認しながら、医師と相談していくとよいでしょう。アテロームは手術でしか治療できないので、ぜひ参考にしてみてください。

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