はじめに
身体にできた粉瘤は、あっていいことはありません。どうせなら、すぐに手術をして取り除いてしまいたいですよね。しかし、手術をするにあたって気になるのはやはり仕事のことです。東京で忙しく働いている人であれば、粉瘤の手術の後はすぐにでも働きたいと考えるのではないでしょうか。
そこで、ここでは粉瘤の手術をした後すぐに仕事ができるのかどうかについてまとめました。手術を受けようと考えている人はぜひ参考にしてください。
粉瘤(アテローム)とは
粉瘤は、アテロームとも呼ばれているできものの一種です。何らかの原因によって皮膚の内側に袋ができ、その袋の中に垢や皮脂が溜まって徐々に大きくなっていきます。なお、多くの粉瘤には小さな穴が開いており、圧迫などをきっかけにして袋の中のものが外に出てくることがあります。
粉瘤が問題視されるのは、細菌感染によって炎症を起こしてしまうため。炎症を起こした粉瘤は、「炎症性粉瘤」「感染性粉瘤」などと呼ばれます。この場合は、悪化させないために触らずにいることが大切です。
そして、粉瘤の基本的な治療方法は手術です。粉瘤を放置しておくと細菌に感染して可能する恐れがあるので、それを避けるためにも状態が悪化する前に手術をするのが望ましいといえます。また粉瘤が大きくなってから手術をするとそれだけ傷が大きくなってしまうので、手術するならできるだけ早めがいいといえるでしょう。
手術をするときには、袋を完全に取り除くことが重要です。なぜなら、袋の一部が残っていると再発の恐れがあるためです。袋が残ってしまった場合は、再度手術を行って袋を摘出することもあります。
なお、稀ではありますが粉瘤の炎症・化膿をきっかけとして皮膚がんが発生することもあります。このことを踏まえても、粉瘤ができたら早めに受診することをおすすめします。
粉瘤の手術方法
粉瘤の手術方法は、感染がある場合とない場合で少々手順が異なります。ここでは、それぞれの場合における従来行われている手術方法をご紹介します。
感染がない場合
感染がない粉瘤の場合は、すぐに手術をすることができます。まずは皮膚を切開して袋を取り出し、その後皮膚の縫合を行います。このとき、できるだけ傷跡が残りにくくするために傷のシワを沿わせるなどの工夫を行います。特に粉瘤が顔にできている場合は、少しでも傷が目立たなくなるようにより丁寧に手術が行われます。
感染がある場合
軽く感染している場合は、抗生物質や抗炎症剤を使用して炎症を落ち着けてから手術を行います。ただし、感染が悪化してしまってる場合はすぐに手術を行うことはできません。まずは切開して袋の中の膿を排出してから、傷が落ち着くまで待ちます。そして、十分な期間を空けてから手術をします。ひどい感染がある場合は、どうしても感染がない場合と比べると治療期間が長引いてしまいます。また傷跡も残りやすいといえます。
手術の所要時間
粉瘤の手術を受けるにあたって、気になることの1つが所要時間です。粉瘤の手術は大掛かりなものではなく、早ければ10分程度で終了します。通常は、手術前後に入院する必要も特にありません。
粉瘤の手術後はすぐに仕事をできる?
粉瘤の手術をするにあったって、「手術後に仕事をできるのだろうか」と疑問に思う人もいるかもしれません。たしかに、粉瘤の手術は一般的にはそれほど時間がかかりません。そのため、手術が午前中、あるいは午後一番で行われれば仕事をする時間はあるはずです。しかし、手術後にすぐに仕事をしても身体に問題はないのでしょうか。
結論からいうと、手術後すぐの仕事は問題ありません。ほとんどの場合は粉瘤の手術後はすぐに帰宅することができ、その後に通勤・通学しても傷口には差し支えないといえます。ただし、術後一週間ほどは激しい運動はできません。仕事で激しい肉体労働をするのであれば、病院の医師に相談した方がいいでしょう。
また、すぐに仕事をしてもいいとはいっても例外はあります。粉瘤の手術は通常はそれほど大きなものではなく、麻酔は局所麻酔を使うのが一般的です。しかし、粉瘤が非常に大きくなっていると稀に全身麻酔を検討することがあります。全身麻酔を使用した場合は、手術後すぐに仕事をするのは難しいといえます。
なお、手術後2日ほどは飲酒ができません。そのため、会社で仕事をすることができても会社の飲み会に参加することはNGです。粉瘤の手術を受けるときには、そのことはきちんと頭に入れておくようにしましょう。
手術後の日常生活
ここでは、粉瘤の手術後の生活についてみていきましょう。
入浴・運動について
手術をした当日は創部にガーゼを貼っておかなければならず、入浴したりシャワーを浴びたりすることはできません。2日目以降はシャワーを浴びる分には問題ありませんが、しばらくは入浴は避けたほうがいいでしょう。入浴を開始するタイミングは、医師に相談してみてください。
また、手術後2日間は運動は禁止です。さらに、激しい運動に関しては1週間ほどできなくなります。仕事で身体を動かすという人は、粉瘤の手術についてあらかじめ会社に伝えておくといいでしょう。
傷跡について
手術後は、内出血を起こすことがあります。しかし、通常は1週間~14日ほどで落ち着いてきます。また、手術そのものの傷についても半年ほど経てば目立たなくなることが多いです。
ただし、粉瘤の大きさや体質によっては傷が残ることがあります。場合によっては、ケロイドができて傷が盛り上がった状態になることもあります。
通院について
創部の確認をするために、手術の翌日に通院しなければいけないことが多いです。ただし、それほど大きくない普通の手術であればその後しばらくは通院の必要はありません。そして、およそ1週間後に抜糸することになります。
まとめ
粉瘤の手術後にすぐに仕事をすることは、通常は十分に可能です。東京で忙しく働いている人も、粉瘤の手術のために仕事が遅れる心配はしなくていいといえるでしょう。社会人にとっては、非常にありがたいことなのではないでしょうか。
ただし、手術後は運動をできないということは必ず心に留めておかなければいけません。無理に動いてしまうと、傷に影響が出る可能性があります。身体を動かす仕事についている人は、必ずあらかじめ医師に相談するようにしてください。