鹿児島で粉瘤の手術を受ける|粉瘤の手術は局所麻酔で行うの?

はじめに

「粉瘤(ふんりゅう)」とは、医学用語で「アテローム」とも呼ばれる、皮膚の内側に袋状のコブができ、そこに本来剥がれ落ちるはずの皮脂や垢などの老廃物が溜まることで発生する良性腫瘍のことです。粉瘤は炎症や痛みがなければ、そのまま放置しても問題ありませんが、完治させるためには手術で摘出する以外に方法はありません。そのため、手術する際には、患者さんに痛みを感じさせないため麻酔をすることになるのですが、粉瘤の手術では局所麻酔がほとんどでしょう。今回は、鹿児島で粉瘤の手術を検討している人のために、粉瘤の手術について紐解き、麻酔の方法などについて解説したいと思います。

粉瘤の手術とは

まず、粉瘤の手術がどんなものなのか、簡単に説明しておきます。粉瘤の手術には、「切開による手術」と「くり抜き法(へそ抜き法)」の大きく2種類があります。

粉瘤手術を行う際、粉瘤が炎症を起こしている場合には、すぐに患部を切開して膿出しをする手術が施されるのが一般的です。炎症や痛みを伴わない状態の場合には、メスを使って粉瘤を皮膚ごと切り取った後で、傷口を縫合する外科的な摘出手術が行われます。粉瘤のサイズがそれほど大きくなければ、局所麻酔による日帰り手術ができるクリニックも多いです。

いっぽう、近年、粉瘤の手術では、術後の傷が小さくて済む「くり抜き法(へそ抜き法)」という手術方法が一般化しています。くり抜き法の手術は、まず粉瘤のある周辺に局所麻酔を施します。次に、皮膚表面の開口部にディスポーザブルパンチという直径4ミリ程度の円筒状の器具を刺し込みます。その後、表面の皮膚と一緒に「嚢胞(のうほう)」と呼ばれる袋状の構造物の一部をくり抜き、内容物と嚢胞をできる限りかき出します。クリニックにもよりますが、くり抜き法では、傷口を縫わないことも多いため、傷がふさがるまで2~3週間程度かかります。しかし、半年~1年程度経つことで、傷跡はそれほど目立たなくなります。ただし、足裏の表皮嚢腫の場合や、内容物が完全に固形化しているような場合には適応できません。

粉瘤の手術は何科を受診するべきか

では、粉瘤の手術がしたい場合は、何科の病院を受診したらよいのでしょうか。

粉瘤の手術を受けたいという場合は、形成外科か皮膚科を受診するのが一般的です。ただし、すぐに手術してもらいたいという場合には、形成外科がよいでしょう。なぜなら、形成外科には手術が得意な医師が多く、ほとんどの病院が粉瘤の手術に対応しているため、手術までの流れが非常にスムーズだからです。もちろん、皮膚科でも、粉瘤の手術に対応しているところもあるので、そのようなクリニックであれば問題ありません。

しかし、一般的な皮膚科には、手術目的以外のお客さんもたくさん来院するため、混雑していることも多く、手術するまでの時間がどうしても長くなりがちです。また、単発の粉瘤や、サイズが小さいものであれば対応してもらえる可能性もありますが、粉瘤が複数ある場合やサイズが大きかったりする場合には、他の病院を紹介されることが一般的でしょう。炎症で強い痛みを伴う場合には「今すぐどうにかしてほしい」という人がほとんどなのですが、一般的には即日手術は不可能なため苦しむ期間が増えてしまいます。よってすぐに粉瘤の手術をしてほしい場合には、形成外科のほうが早期に対応してもらえる可能性が高いため、おすすめといえます。

粉瘤の手術費用の相場

粉瘤の手術費用の相場は、大きさや数などによっても異なりますが、保険適応の3割負担の場合であれば、露出部(半袖や半ズボンで隠れない部分)だと、5,000~14,000円程度です。いっぽう、非露出部(半袖や半ズボンで隠れる部分)だと、4,000~13,000程度が目安と考えればよいでしょう。ちなみに、1割負担であれば、約1/3程度の費用です。このように、粉瘤の手術費用は、若干ですが露出部のほうが高額となっています。

また、前述した手術費用は、粉瘤の大きさによって異なっています。一般的なクリニックでは、3割負担の場合、粉瘤の直径の合計が2cm未満だと5,000円程度で、2~4cm未満だと11,000円程度、4cm以上では14,000円程度になってきます。また、1割負担の場合、粉瘤の直径の合計が2cm未満だと4,000円程度で、2~4cm未満だと10,000円程度、4cm以上では13,000円程度になってきます。なお、多発性の粉瘤の場合には、近接部位であれば、医師の判断により同時手術可能なケースもありますが、数が多すぎる場合には一度の手術ですべて摘出できないケースもあります。粉瘤が小さく、炎症がない状態であれば、手術せず治療したほうが費用も安く抑えられるうえ、早く治ることでしょうし、傷口も目立ちません。

粉瘤の手術は、一部の形成外科や美容外科、美容皮膚科では、保険診療ではなく自由診療で行われることもあります。特に、女性向けの美容形成系のクリニックで、傷跡の残さないことを謳っているようなところに多い傾向にあります。自由診療の場合は、クリニック側で自由に値段設定できるため、顔にほとんど傷を残さないといった施術を行えるような場合には、こうしたケースも十分あり得るのです。

粉瘤手術の麻酔について。鹿児島はどうなの?

ここまで紹介してきたように、一般的に粉瘤の手術は局所麻酔で行われるため、手術中の痛みはほとんどないといってよいでしょう。とはいえ、局所麻酔を注射する際には、さすがに少し「チクッ」とした痛みは伴いますが、それだけです。また、痛みに弱いという人の場合には、クリニックによっては、局所麻酔の注入前にアイスパックで皮膚を冷却したり、少量ずつ麻酔薬の注入を行ったり、極細の注射針で実施するといった、痛みを抑える工夫をしてくれるところもあるようです。ちなみに、鹿児島で粉瘤手術を行っているクリニックも、ほとんどが局所麻酔で行われます。

細菌感染などによって炎症を起こしている粉瘤の場合には、皮膚の内部に膿がたまった状態であるため、それを取り除くこと必要があります。その際、まず局所麻酔を注射して皮膚の一部を切開し、たまった膿を洗い流す処置を行います。洗浄を数日~1週間程度続け炎症を鎮めていきます。その後、残りの腫瘍の範囲や傷の状況に応じて、追加手術や治療を繰り返します。

また、「全身麻酔するケースはないの?」と思われるかもしれませんが、粉瘤の手術においては、多くの医師が可能な限り切開する皮膚の範囲を小さくするように心がけているため、ほぼ使われることはないでしょう。さらに、粉瘤が悪化している場合や複数ある場合でも、前述したように、段階を追って施術をしていきますので、全身麻酔の必要がないのです。なお、脂肪腫の場合には、大きいもので全身麻酔が必要になるケースもあるようです。

まとめ

今回紹介したように、粉瘤の手術は局所麻酔で行われるため、簡単にいえば予防接種と同じくらいの痛みだと思っておけばよいでしょう。手術時間も、平均して10~30分程度と短く、日帰り手術できるクリニックも多く気軽に行けるため、悪化する前になるべく早く受診するのがおすすめです。なお、粉瘤の手術費用には保険が適用されるのが一般的ですが、クリニックによっては自由診療のところもありますので、かならず事前に確認するようにしましょう。

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