はじめに
皮膚科の病気の中でもよくある疾患として「粉瘤(ふんりゅう)」があります。皮膚の下に袋状の構造物ができ、角質や皮脂が溜まって、しこりやニキビのようにぷっくりと膨れ上がってくる病気です。よく、脂肪が溜まっていると勘違いしている人も多いのですが、それとは全く違うものです。なぜ粉瘤ができてしまうのか?そして、もし粉瘤ができたとしたらどうしたら良いのか?神戸で治療したい場合の病院選びなども交えて粉瘤についてご紹介していきます。
あなたにできた腫瘍は良性?悪性?
「粉瘤」とは「ふんりゅう」と読み、皮膚科の病気の中でも比較的有名なもので、別名「アテローム」と呼ばれていてこちらを耳にしたことがある人も居るでしょう。できやすい場所などはありますが、基本的には体のどこにでもできるものです。ですので「顔にあるからニキビ」「背中にできたから脂肪のかたまり」など、腫瘍の場所で判断できるものではありません。 腫瘍と聞くと癌など悪性のものを連想してしまいがちですが、基本的に粉瘤は「良性腫瘍」だと言われています。でも、まれに癌化(悪性化)することもあるので放置しておくことは大丈夫だとは言えません。検査をしないと他の病気との違いが分からない場合もあるので、病院で診断して貰わないと本当のところはどうなのかわからない病気でもあります。 悪性なのか、良性なのかは疾患の種類によって割合的なことは分かるかもしれませんが、実際はその腫瘍を病理検査に出さないと分かりません。粉瘤を治療せず、そのままにしておくと日に日に大きくなっていきます。ごくまれに自然消滅することもありますが「大きくなったかも」と思ったなら、そのままにしておくのは良くありません。細菌が入って炎症を起こし、赤く腫れあがってしまうとかなりの痛みを伴う場合があるので早めに病院に行くことが大切です。
粉瘤の治療って一体何をするの?
粉瘤の診断は基本的には見た目だけで判断することができるようです。しかし、大きな腫瘍や病変が深くまで及んでいる疑いがある場合は、周囲にどのような影響を及ぼしているか判断するために超音波検査やMRI・CTなどの検査が必要になります。 粉瘤は皮膚の下にできた袋状の構造物、いわゆる「被膜」と呼ばれるものがあり、この中に皮膚の垢や脂などが体外に排出されず溜まっています。この袋ごと、または袋部分と癒着している皮膚と一緒に切除する必要があるので、治療=手術とも言えるでしょう。 あくまでも良性腫瘍の場合ですが、摘出は患者さんの自由意志と言われることもあるようです。しかし、そのままにしておくと大きくなってしまったり、炎症を起こしてしまったりなどのリスクも残っていることを十分に理解した上で、どうするかを考えてください。また、腫瘍がかなり大きくなってしまうと手術も大掛かりになって、傷痕も大きく目立つものになってしまうので、今すぐ手術が無理な場合でも、医者と相談して治療プランを立てておくと良いでしょう。また、炎症を伴った粉瘤の手術ですが、痛みのあまりすぐに取って欲しいと言う人もいるのですが、腫瘍周囲への影響がわかりにくいため正確な診断が難しく、手術できるコンディションが整わなければ摘出ができない場合が多いようです。その炎症を鎮めるために、腫瘍に局所麻酔をしてから表皮を切って中の膿を外に出し、抗生物質などの投薬治療をします。連日、患部の洗浄・消毒などで通院する必要があります。
粉瘤の治療に適した病院の選び方
では、粉瘤ができたら何科の病院に行けばいいのでしょうか?まず、皮膚科ではメジャーな病気という点を考えて、皮膚科ならまず間違いは無いでしょう。ただし、開業医(クリニック)だと、手術はしていないところも多くあるので下調べなしで行くと、結果として転院や別病院への紹介など、何度か病院に行かなくてはいけなくなる可能性があるでしょう。もし、「時間の自由が利かない」「早く治療を終わらしたい」と考えているなら、手術もできるクリニックを選ぶ必要があります。病院に事前に問い合わせすれば教えてくれるので、急がないならじっくり調べてから行くのも良いでしょう。ただ、粉瘤が炎症を起こしてから急いで病院に駆け込む人もいるようです。このとき、傷痕などを気にしないで大丈夫な場所なら、外科や整形外科に駆け込んでも良いのですが、傷痕が目立たないように治療したいと思っているなら美容皮膚科や形成外科がオススメです。とくに顔や首など隠すことが困難な場所にできているなら、形成外科が良いでしょう。痛みが出てから慌てて病院に行くと、傷を残す可能性もあるので、もし現状で痛みが無く、気になっているのなら自分が満足できる治療が受けられるかどうか下調べした上で、病院を選ぶと良いでしょう。
神戸でも粉瘤は治療できる?
さて、神戸には粉瘤を治療できる病院はあるのでしょうか?先ほども述べたように、皮膚科の疾患としてはメジャーなものなので、皮膚科なら診断を受けることは可能です。ただし、手術しているかどうかクリニックによるので事前に問い合わせをするようにしましょう。神戸の皮膚科や形成外科でも「皮膚腫瘍外科指導専門医」のいる病院やクリニックならより安心のようです。皮膚の腫瘍の手術について技術を持っている専門医が居る病院なら、あなたの粉瘤に適した手術法を提案してくれるでしょう。神戸には皮膚腫瘍外科指導専門医がいる病院が多数ありますので、事前に調べてから病院を決めることをオススメします。またいくらメジャーな病気だからといっても、安易な治療で治るものではありません。また、再発のリスクもある病気なので、一度治療が済んだからといって「もう、大丈夫」と思わない方がいいでしょう。同じ場所にできる可能性もありますし、また別の場所にできることもあります。何か異変を感じたら、迷わず一度診察を受けてみてください。
まとめ
粉瘤は誰にでも起こる可能性のある、皮膚科では比較的よくある病気として考えられています。しかも、できる場所は体中のどこにでもできてしまうので、しこりを見つけたらそのままにせず病院にて正しい診断をもらうようにしましょう。神戸でも休日診察や夜間診療に対応している病院もあるので、平日は行けないからとあきらめて放っておかず、できるだけ早目のタイミングで病院に行くように心がけてください。そのままにしておくと悪化したり、他の病気になったりとトラブルも起こりやすくなってしまうので、迷っているならまずは診察だけでも行くようにしましょう。