アテロームは抜け毛に影響を与える？頭皮にできたアテロームと抜け毛の関係と注意点

前説
頭皮にできるアテロームの正体は
頭皮のアテロームと抜け毛の関係は？
頭皮のアテローム治療の注意点
まとめ

前説

頭皮にできたアテロームは粉瘤（ふんりゅう）とも呼ばれる良性腫瘍の一種です。頭に大きなデキモノがあれば、抜け毛の原因になって、そのまま薄毛になってしまうのではないかという心配もあるでしょう。

また、手術をしたくても、術後に傷跡から抜け毛が発生してハゲでしまうのではないかと心配している方も多いのではないでしょうか。

ここでは、頭皮にできたアテロームと抜け毛の関係や、アテロームを綺麗に除去する方法などを解説していきます。

頭皮にできるアテロームの正体は

アテロームとは、皮膚の一部が陥没するなどして袋状になり、その中に古い角質などの老廃物や垢がたまって嚢胞（のうほう）になってしまう症状です。嚢胞は皮膚と繋がっているので、指で押して動かすと皮膚と一緒に動くという特徴があります。指で無理やり潰したりすれば、脂のようなドロドロとした内容物が出てくることもあります。この内容物は悪臭を伴うことが多いです。

アテロームは皮膚のどこにでも発生する可能性があります。頭皮も皮膚なので、アテロームができても全く不思議ではありません。頭皮の皮下に嚢胞ができるという仕組みも、頭皮以外の皮膚にアテロームができる場合と同じです。

最初は痒みや痛みがありませんが、感染すれば内部で細菌が繁殖してしまうために赤く腫れあがって大きくなり、痛みを伴うこともあります。アテロームはニキビと間違えられることが多いですが、ニキビとの違いは5センチ以上の大きさになることも珍しくないという点です。頭皮にできたアテロームも例外ではなく、頭部に大きなデキモノが現れるということになります。

なお、アテロームができる原因は現在でもよくわかっておらず、しっかりとシャンプーをして清潔にしていても頭皮に生じてしまいます。従って、アテロームができた場合にシャンプーをして清潔にするなどといった方法は、治療法として誤っているので注意しましょう。

頭皮のアテロームと抜け毛の関係は？

頭皮にアテロームが生じれば、患部の血行が悪化して抜け毛に繋がる可能性は十分にあります。また、アテロームの除去手術を行えば、その部分の頭皮はダメージを受けることになりますので抜け毛の原因となるでしょう。

だからといって、アテロームをそのまま放置すれば次第に肥大化するので、できるだけ小さなうちに除去手術をしなければいけません。抜け毛が気になるからと放置すると状況は悪化し、より一層抜け毛のリスクが高くなってしまいます。アテロームが大きくなればなるほど、除去手術をしたときの傷口も大きくなるので、頭皮へのダメージも強くなるでしょう。

手術のために髪の毛を剃らなければいけないのか、また、頭部の手術なので痛みが大きいのではないかなどと心配する必要はありません。除去手術のための剃毛は、患部周囲のみですむケースがほとんどです。医院によっては、全く髪の毛を剃ることなく手術してくれるところもあります。

なお、アテロームの除去手術は局所麻酔でおこなわれますので痛みはありません。手術時間は10分から15分程度で終わります。一般的に、アテロームが小さいほど手術時間が短くなるので、頭皮へのダメージも、それだけ少なくて済みます。このように、処置が早ければ早いほど抜け毛のリスクも少なくなります。

頭皮のアテローム治療の注意点

アテロームと同じような症状には、ニキビや脂肪腫、石灰化上皮腫などがありますが、いずれも素人が見て見分けるのは難しいケースがほとんどです。

注意しなければいけないのは、ニキビなどと間違えてしまい無理に潰そうとしたり、あるいは、そのまま放置したりしてアテロームを悪化させてしまうことです。ニキビなら、無理やり潰して中の膿を取り出せば治ることもありますが、アテロームは自己流での処置で治ったり、自然治癒したりすることはありません。

頭皮の「できもの」のために病院に行くのはなかなか気がひけるかもしれませんが、自己治療は症状を悪化させるだけで、何も良いことはありません。場合によっては、頭皮の抜け毛が進行してしまうこともあります。また、自己療法でアテロームが悪化してしまった場合には、術後に再発する確率も高くなります。

頭皮にできるアテロームは怖い病気ではありません。良い病院と腕のいいドクターを選んで、できるだけ軽症のうちに除去手術を受けるのが完治のためには最良の方法です。特に頭皮にできたアテロームの場合には、抜け毛や術後の見た目も気にしなければいけないため、皮膚科に形成外科や美容外科が併設されている病院や、頭皮の除去手術に実績のあるクリニックを選ぶようにしましょう。