はじめに
ニキビだと思っていたら、どんどん大きくなる顔のデキモノ。潰したら赤くなり、さらに大きくなってしまう、それは、顔にできたふんりゅうかもしれません。
顔に大きなデキモノがあれば、暇さえあれば鏡を見るような状況にもなるでしょう、しかも、ふんりゅうは直径5センチから、場合によっては直径10センチほどにまで肥大することがあります。そんな大きなふんりゅうは、いったいどうやって除去するのでしょうか。ここでは、ニキビとふんりゅうの違いや、顔のふんりゅうを除去する方法などを紹介していきます。
目次
顔にできたふんりゅうとニキビの違い
ふんりゅうとニキビとの違いは、自然治癒するかしないかという部分もありますが、ニキビは薬を塗ったり生活習慣を改善させたりすれば自宅でケアすることができるという特徴もあります。顔にできたふんりゅうの場合には、手術で除去する以外に方法がありません。
ただし顔という場所だけに、傷跡が気になってしまって、なかなか手術する決意ができないという方も多いのではないでしょうか。しかし、だからといってそのままふんりゅうを放置しておけば、徐々に肥大化していってしまいます。感染をすれば、ふんりゅうが急激に成長することもあります。
ニキビは大きくなってもせいぜい数ミリですが、ふんりゅうは5センチから10センチ程度にまでなることもあります。さらに、細菌が入って炎症を起こせば、強烈な痛みが生じることもあります。
顔にできてしまったからといって、手術に二の足を踏むようなことなく、できるだけふんりゅうが小さいうちに医療機関を受診して、除去手術を受けることをおすすめします。
顔のふんりゅうが小さければ、手術も簡単に終わり、傷跡もほとんど目立たなくなります。最近では、「くり抜き法」という小さな切開口から袋状の嚢胞を取り出す術式を行っている病院も増えています。まずは気軽に病院に足を運んで、相談をしてみましょう。
粉瘤とニキビの見分け方
ふんりゅうとニキビを勘違いして、ニキビの治療法をふんりゅうに施し、何度も再発してしまったというケースも珍しくありません。ふんりゅうとニキビは、そもそもその原因が違います。ふんりゅうの場合には、袋状の嚢胞が皮膚の奥に生じ、その中に老廃物が溜まってできるしこりです。小さな段階でも、指でつまめるしこりが感じられます。ニキビは基本的に毛穴が詰まってできるので、指でつまめるほどのしこりはありません。この「指でつまんだ感じ」の違いが、ニキビとふんりゅうの見分け方のひとつとなるでしょう。
また、ふんりゅうとニキビの違いには「臭い」もあります。ふんりゅうは中に溜まった老廃物が腐敗するので悪臭を放つことがあります。ニキビは通常、臭いを発することありませんので、ふんりゅうとニキビの見分け方として使えるでしょう。
なおニキビも皮膚科や形成外科で治療することができます。この場合、外用薬や内服薬と一緒にレーザーで治療するという方法があります。ふんりゅうの場合には、嚢胞を外科的な手術で取り除く以外に完治させる方法がありません。
いずれにしても、おかしいなと思ったら専門医に相談することをおすすめします。顔にふんりゅうができた場合には、デリケートな手術が必要になるでしょう。そのため、皮膚科よりも形成外科、あるいは、形成外科を併設している皮膚科での手術が理想です。
顔の粉瘤除去手術
顔にできたふんりゅうはどのように手術をするのでしょうか。
ふんりゅうはニキビと違って自然に治らないので、完治のためには除去手術をする必要がありますが、顔にメスを入れるのは抵抗があるという方も多いでしょう。できるだけ傷跡を残さずにふんりゅうの除去手術をするためには、炎症を起こす前の、早めの手術が重要です。
最近では直径1ミリから4ミリ程度の特殊な器具でふんりゅうに穴を開けて。中の老廃物などを絞り出したあとで、嚢胞を丸ごと取り出す「くり抜き法」、あるいは「へそ抜き法」をおこなっている病院も増えています。くり抜き法のメリットとしては、手術時間が短く済むこと、また、傷跡が比較的小さく目立たなくなるという点です。デメリットは、穴が塞がるまでに時間がかかるという点でしょう。
なお、顔のふんりゅう除去手術は局所麻酔で行いますが、麻酔が切れた後も翌日ぐらいまでは痛みを感じることがあります。基本的には我慢できるレベルの痛みですが、どうしても我慢できないという場合のために、痛み止めの鎮痛剤が処方されることもあります。
なお、くり抜き法でふんりゅうの除去手術をした場合、術後の傷が完全にふさがるまで 2週間から3週間程度かかることもあります。くり抜き法ではない「小切開法」で手術をした場合には、術後半年から1年ほどで傷が目立たなくなります。
顔に手術痕を残さないためには
顔のふんりゅうの除去手術後は本当にきれいに治るのか心配している方も多いのではないでしょうか。
従来の切開方法では傷が数センチ残ってしまうことも珍しくありませんでしたが、最近のくり抜き法では、傷口がそこまで目立ってしまうことはありません。
なお、糖尿病患者の場合には、傷の治りが良くないことがあります。ふんりゅうの除去手術を糖尿病の人が受ける場合には、必ず手術をする前に、医師に糖尿病治療中である旨を伝えるようにしてください。ふんりゅうの治療だけではなく、食生活などの改善をめざして血糖値が高くならないようにすれば、術後の治りも早くなるでしょう。
顔の除去手術の場合には、いつまでも跡が残ると美容的な面でもデメリットが多くなってしまいます。それを少しでも避けるために、ふんりゅうの除去手術直後には紫外線を浴びたり、患部を腕などでこすったりすることのないようにしましょう。傷跡を残さないためにも、ふんりゅうの除去手術が終わってからしばらくの間は、絆創膏やガーゼなどで保護することが大事です。 いずれにしても、手術を受ける前に必ず主治医と相談して、どのような手術法で、どの程度の傷跡が残るのかなどをしっかりと納得がいくまで説明を受けましょう。繰り返しますが、ふんりゅうの手術はできるだけ早く、ふんりゅうが小さい時に行えれば、傷跡が残りにくくなります。
まとめ
傷を残さずに顔のふんりゅうを除去したいなら、ふんりゅうが大きくなく、まだ炎症が起きていない状態での除去手術が重要です。悩んでいるなら、一刻も早く除去手術を受けましょう。早ければ早いほど、傷跡も残りません。
顔という、どこよりも目立つ場所だからこそ、勇気を出して除去手術を受けてみてください。ふんりゅうをいつまでも放置し、悩むことに比べれば、ふんりゅうの除去手術はすぐに終わります。そのわずかな時間で、その後のストレスの無い時間が手に入ります。