どこに頼ればいいかわからない?粉瘤治療のための失敗しない病院の選び方

いざ粉瘤を治療しようと思っても、こんな悩みがあるのではないでしょうか。

粉瘤の病院はどうやって選べばいいのか知りたい

粉瘤とは、皮膚にできる半球状の固まりのことです。初期段階では痛みも少なくあまり気になることは少ないです。しかし、粉瘤は少しずつ大きくなり、数cm大にまで成長することもあります。また、化膿してしまい赤く腫れ、ひどい痛みを伴うこともあります。

首や顔などにできた小さな粉瘤も悪化すると、生活に支障をきたす場合もあるのです。小さな粉瘤だからと甘く見ずに、早めの処置が肝心です。

しかし、実際治療に行くとしてもどこに行けばいいのわからないですよね。今回の記事では以下の3点を解説していきます。

この記事を読んでわかること
  • 粉瘤の治療は何科に行くべきなのか
  • 粉瘤の手術はどのような手術なのか
  • 良い皮膚科の選び方

今回の記事ではどのような治療を行うのか、病院選びにポイントなどあるのかを紹介します。

そもそも粉瘤の正体は何?

お医者様にかかる前に、粉瘤についてもう少し知っておきましょう。

脂肪腫との違い

よく勘違いされるのが、粉瘤を脂肪の固まりと判断してしまう素人診断です。脂肪の固まりは、皮膚の下の脂肪細胞が増殖してできる良性の腫瘍です。

脂肪腫は背中、肩などの他、四肢の身体に近い側にできることが多く、数mmから10cm以上に成長したものまで様々です。

一方の粉瘤は、皮膚が何らかの原因で、内側に向かって袋状の器官を作ってしまうことが原因で発生します。この袋の中に古い角質や皮脂が溜まってしまい、徐々に大きくなって粉瘤となります。

見た目での見分け方

脂肪腫との見た目の違いは、粉瘤には袋の入り口である黒点が観測できる点です。中心が顕著に黒ずんでいたり、周囲より盛り上がっていたりします。指先などで強く圧迫すると、入り口から練り物のような物質が出てきます。

それが脂肪のようにも見えるので、脂肪の固まりと誤解される一因にもなっていますが、これは角質や皮脂が変質したもので脂肪ではありません
痛みを伴いますが、無理やり圧迫し、中身を絞り出すことで一時的に粉瘤を小さくすることはできます。

しかし、このようなやり方では袋が残ってしまうので、粉瘤は再発してしまいます。更に力技の素人治療は、雑菌の感染を招き、粉瘤の悪化の原因にもなりかねません。専門医で治療を行うのがベストな方法です。

粉瘤と間違いやすい6つの疾患

粉瘤に似た皮膚腫瘍は他にもいくつかあります。

  • 皮様嚢腫
  • 側頸嚢腫
  • 正中頸嚢腫
  • 耳前瘻孔
  • 外歯瘻
  • 石灰化上皮腫

恐らく粉瘤であろう、と思われる場合であっても、最終的な診断は専門の医師に委ねるべきです。その点でいえば、類似する皮膚腫瘍を正しく診断できる皮膚科医がベターです。

粉瘤の治療は何科に行くべき?

粉瘤の治療は、皮膚科もしくは外科での対応になります。これは、治療方法が外科的手術に限るためです。

まずは皮膚科を頼る

初めて粉瘤や皮膚のしこりに悩む人からしたら正直自身の症状なんてわかりません。そのため、まずはどの部分のしこりであっても類似する皮膚腫瘍を正しく診断できる皮膚科医を頼ってみましょう。

また、皮膚科の医師の中でも専門領域はいろいろ分かれています。粉瘤の治療は、皮膚下の袋ごと除去する手術を行います。皮膚科の医師によっては、手術を積極的に行っていない場合もあるでしょう。手術にあたっての手際のよさや傷跡の程度は、どれだけ実務をこなしてきたかの経験や熟練度によります。できるだけ、その方面での見識の深い医師を見つけることも大切です。

皮膚科の調べ方

このような観点から理想的な皮膚科医を見つけるのは、かなり大変そうです。地域名、粉瘤、手術などのキーワードでインターネット検索した際に、公告をかけている皮膚科医はおそらく粉瘤治療の専門性が高いと言えるでしょう。

近所の皮膚科医であれば、通院経験のある知人もいるかもしれません。知人の方の評判を参考にするのもよいでしょう。大きな手術ではないとはいえ、傷跡が残るものです。十分に調べたり、知人の意見を聞いて後悔のないようにしましょう。

粉瘤の手術とはどのような手術なの?

粉瘤の治療には、手術を行います。となると、最終的には手術の上手な医師であることは重要なポイントになりそうです。どのような手術を行うのかも紹介しましょう。

粉瘤の手術の2つの方法

粉瘤の手術は、大きく2つの方法があります。以前から行われている従来型の手術方法と、最近広く行われるようになってきたくり抜き法の2つです。

どちらも、局所麻酔で日帰り手術が可能です。また手術費用自体もどちらを選んでも一緒です。手術費用は、該当する保険点数によって変わります。点数は手術の場所と除去する腫瘍(この場合はは粉瘤のこと)の大きさで決まります。手術方法は点数に影響しないので、同一価格になります。止血方法や傷口の保護の方法など細かな手当ての違いが金額に影響を及ぼすことがありますが、大きな差ではありません。

手法の違いとは

2つの手法の違いは、手術の難易度と傷口の大きさ、傷口の形状に現れます。

従来型の手法
従来型の手法は、メスで粉瘤より大きめに皮膚を切り裂き、袋ごと除去し、傷口を縫合します。粉瘤の除去が行いやすいというメリットがありますが、メスの跡が残る可能性はあります。

くり抜き法
くり抜き法は、粉瘤の中心にディスポーザブルパンチという直径4mm程度の円筒形のメスで、穴を開けます。そして、粉瘤の中身と袋を掻き出します。傷口は小さくてすみますが、小さな穴からきれいに掻き出すには慣れが必要です。また、穴は縫ったりせずガーゼを当てて自然治癒に任せます。

傷がふさがるには2〜3週間と従来型よりも長くかかります。傷跡はにきび跡の凹み程度に目立たなくなります。

よい皮膚科医の選び方

納得して任せられる医師を選ぶには、疑問点、不安な点など、気になることがあれば何でも質問してみてみることがポイントです。面倒がらずに質問に答えてくれ、手術のメリット、デメリットもきちんと説明してくれる医師なら、信用してお任せしてもよいでしょう。

前項で2つの術式について、簡単に説明しましたが、専門医なら図や写真も併用しながら、もっとわかりやすく説明してくれるはずです。また、治療しようとしている粉瘤の、場所や大きさ、化膿の有無も治療方針に影響を与えます。このような患部の情報と患者の意向を斟酌し、治療方針を提案してくれる医師を選びましょう。

どうしても、医師の説明に納得できない場合は、セカンドオピニオンも検討するべきです。粉瘤は命に関わるような重篤な病気ではありません。

しかし、どんな簡単な手術でも受ける側には不安が伴います。さらに場所によっては手術跡の程度も心配です。そのような不安な気持ちにきちんと寄り添ってくれる医師を見つけることができれば、安心して手術も任せられます。

医師選びにここまで手間暇をかけるのは、かなり大変です。だからといって、適当に投げ出さず、自分なりに納得できる治療が行えるようにしましょう。

まとめ

粉瘤をきちんと治すには手術が必要です。手術は皮膚腫瘍などの診断も行っている皮膚科で行いますが、どんな術式で、どんなリスクがあるのか、メリット、デメリットについてはどうなのかなど、患者からの質問にもきちんとわかりやすく説明してくれる医師を見つけることが肝心です。
簡単な手術でも、受ける方はやはり不安がつきまとうもの。そんな患者の気持ちにもしっかり寄り添ってくれるかどうかが、よい医師選びでは大切なポイントです。

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