小さくても自分で取るのは危険?~耳の小さな粉瘤の対処法とは~

はじめに

気が付いたら耳たぶの後ろが少し腫れていた、何だかしこりがある、と気づいた人はいませんか。さらに、しこりはあるけれども、痛みはないので放っておいて良いか、病院に行くならどこを受診していいかも分かりませんよね。俗に脂肪の塊ともいわれる「粉瘤」は、皮膚の柔らかい場所にできやすいため、耳たぶにできることも少なくありません。ここでは、粉瘤が耳たぶにできる原因や、やってはいないことを含めた耳たぶの粉瘤への正しい対処方法についてご紹介します。

耳たぶにできる粉瘤とは

まずは、なぜ耳たぶに粉瘤ができるのかについて見てみましょう。粉瘤の正体とは、良性の皮膚の腫瘍のことです。表面上は分かりませんが、私たち人間の皮膚の表面は、細胞分裂を繰り返して、新しい皮膚と古い皮膚が入れ替わっています。そして、古い皮膚の角質は最後は垢になって剥がれ落ちます。

粉瘤の正体は、皮膚の毛穴の奥深いところに、袋状に垢が溜まることによってできます。そのため、粉瘤は開口口が酸化して黒くなっているのが特徴です。化膿して膿が溜まってしまったニキビやしこりとの判別方法は、開口口があるか、そして黒くなっていないかということで見分けがつきます。

また、当然ですが人間は目などの粘膜が出ている部分を除いて、全てが皮膚でおおわれています。そのため、体のすべての部分に粉瘤はできます。その中でも、比較的皮膚のやわらかい、耳たぶや顔、わきの下、お尻などにできやすくなっています。そのため、耳たぶに粉瘤ができること自体は珍しくありません。さらに、粉瘤にも痛みがあるものとないものがあります。ただ粉瘤ができたばかりのときや、細菌が入っていない時には痛みは感じません。ただし、細菌が入ってしまうと炎症を起こすため、痛みや熱、腫れを持つ粉瘤になります。

耳たぶに粉瘤ができる原因

粉瘤は、皮膚の毛穴の中に袋状に垢や膿がたまってしまうことでできます。それでは、なぜ耳たぶに粉瘤ができてしまうのでしょうか。粉瘤の原因として分かっているのは、主に3つあります。

ひとつはヒトパピローマ(乳頭腫)ウィルスの感染です。ヒトパピローマウィルスと言えば、女性の子宮頸がんの発症原因にもなるウィルスですが、実はヒトパピローマウィルスと一言に言っても、150種類以上があります。そして、性器などの粘膜に感染するタイプと、皮膚に感染するタイプがあります。よって、性交渉以外にも皮膚の接触などでもヒトパピローマウィルスには感染します。皮膚に感染するタイプは、女性の80%以上が感染していても気が付かないというデータもありますが、感染すると粉瘤になって表れるパターンもあります。

次に、けがをしてしまったときに傷口がふさがる過程でできる粉瘤です。皮膚の成分が、けがや傷の中に埋め込まれてしまったため、粉瘤として現れるパターンです。耳たぶの場合は、爪で耳をひっかいてしまったときの傷や、ピアスの穴がふさがる前に粉瘤の元ができてしまうことがあります。

最後が、原因不明であることです。実は、耳たぶを含めて体にできる粉瘤は、原因不明であることがほとんどです。体質的に粉瘤ができやすい人もいます。

粉瘤ができたらやってはいけないこと

耳たぶに粉瘤ができていることに気が付いても、痛みも腫れもないことが多いですよね。どうしても気になってしまいますが、わざと耳たぶを傷つけて、粉瘤をつぶして小さくしようとするのは、絶対に止めましょう。

ニキビやできものができると、わざと傷つけて中の膿を出して治そうとする人もいますよね。粉瘤の場合は、痛みや腫れがないのはまだ細菌に感染していないからです。もしも、痛みや腫れのない粉瘤をつぶして治そうとすると、傷つけたところから細菌に感染してしまう可能性があります。細菌に感染すると、粉瘤をつぶして治すどころか、今度は粉瘤の中に臭い匂いのする膿が溜まってしまいます。さらに、痛みや熱を持ったり、さらに腫れがひどくなってしまったりする危険性もあります。

粉瘤が耳たぶにできても、小さい場合にはそのまま放っておいても大丈夫な場合が多いです。ただし、少しずつ大きくなってきた場合や、最初に気が付いた時点で大きな粉瘤で、どうしても気になる時には手術で取ってしまうのが一番です。

手術をする場合も、細菌に感染していない時には早くきれいに粉瘤は取れます。ところが細菌に感染すると完治するまでも遅くなりますし、傷跡として残ってしまう可能性もあります。絶対に自分でつぶさないようにしましょう。

耳たぶの粉瘤を取るためには

どうしても耳たぶの粉瘤が大きくて気になる、または痛い、大きく腫れてきている場合には、そのままにせず手術を受けて粉瘤を取ることになります。

粉瘤を取るために受診するのは皮膚科です。耳たぶの粉瘤なら、多くの皮膚科で粉瘤を取るための手術を行っています。もしも、その皮膚科で手術ができない場合には、ほかの手術が受けられる医療機関を紹介してもらう方法もありますので、まずは皮膚科を受診しましょう。

耳たぶの粉瘤を取るための手術ですが、まず粉瘤の状態によって異なります。粉瘤が細菌に感染していない時には、そのまま手術で摘出することができます。できるだけ粉瘤が小さいうちに行くと、袋ごと手術で摘出できますし、手術のリスクもより小さく済みますので、早めの受診をおすすめします。
もしも、粉瘤に痛みや腫れがある、大きさが大きい、押すと臭い膿が出る場合には、細菌に感染してしまっています。そのため、まずは細菌を粉瘤から出すために抗生物質の投与を受けます。抗生物質を医師の指示の下で飲んで、細菌がいなくなってから手術で摘出します。ただし、細菌に感染している粉瘤のほうが、細菌に感染していない粉瘤よりも完治するのに時間がかかります。そのため、粉瘤が気になったら自分でいじらずに、早めに皮膚科を受診して相談してみましょう。

まとめ

耳たぶを含めて、粉瘤ができる原因や粉瘤の正体、耳たぶに粉瘤ができた時の対処方法をご紹介しました。耳たぶは粉瘤ができやすい場所のため、放っておいてもまた違う場所にできてしまう可能性もあります。耳たぶの粉瘤に気が付いたら、自分でつぶして治そうとしてはいけません。今では、リスクの少ない粉瘤摘出手術を行っている皮膚科も多くなりましたので、細菌に感染したり、痛みや腫れがでたり、大きくなったりする前に、皮膚科を受診しましょう。

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