粉瘤の切除手術は保険適用できるの?粉瘤治療の費用とは

はじめに

痛みも腫れもないけれども、耳たぶや頭、顔にしこりやできものができていて悩んでいませんか。それは良性の腫瘍である粉瘤の可能性が高いです。良性の腫瘍ですが、放置しておくと起きてしまう悪影響もあります。何より目立つところにできると、取りたいと思う人が多いですよね。けれども、実際に手術で取るとすると気になるのが費用です。ここでは、粉瘤の切除についてと費用、健康保険が効くのかについて解説します。費用面で切除をとどまっている人もぜひ参考にして下さい。

粉瘤の切除費用は異なるが保険が効く

目立ったところにできてしまった粉瘤を取ってしまいたい、小さいうちに切除してしまいたい、と思ったら粉瘤の切除手術を受けるために皮膚科を受診することになります。切除手術、というと外科のイメージがありますが、粉瘤は良性の腫瘍です。そのため、切除を考えていても、最初は皮膚科の受診で大丈夫です。普段通っている皮膚科があれば、そこで相談してもかまいません。もしも粉瘤の切除のために初めて皮膚科に通う時には、粉瘤の手術を行っている皮膚科を探してから行くと、受診もスムーズに進みます。

気になる粉瘤の切除は、できている粉瘤の大きさや箇所、細菌感染しているかしていないかによって手術の方法が変わってきます。さらに、切除方法によって費用は異なってきます。ただし、粉瘤の切除手術自体は、健康保険が効きます。健康保険の適応範囲内ですので、負担する費用は保険の自己負担分だけで済みます。美容整形手術のような自由診療ではありませんので、それほど高額の費用は掛からずに済むと考えてよいでしょう。皮膚科で行える一般的な粉瘤の切除手術なら、安ければ数千円で済みます。サイズが大きく切除に時間や手間がかかるものでも、数十万円といった高額な手術費用はかかりませんので、安心して切除の相談をしてみましょう。

粉瘤の切除の手術方法

粉瘤は、できている箇所や状態、大きさによって切除方法や手術方法が異なることが分かりました。手術方法が異なれば、当然費用も異なってきます。具体的な粉瘤の切除方法について見てみましょう。

まず、サイズが小さく感染していないもので、かつ皮膚の薄い部分にできた粉瘤なら「くり抜き法」での手術が可能です。くり抜き法とは、粉瘤の上に小さな穴を筒状のメスで開けて、そこから粉瘤の元になっている袋をくり抜いて取り出す切除方法です。開ける穴が小さいため、手術の後が目立ちにくい、手術にかかる時間も短い、といったメリットがあります。なるべく傷跡を残したくない顔などの粉瘤を取る時にも多く用いられています。顔や耳たぶ、頭皮などの粉瘤はくり抜き法で切除できますが、皮膚が厚かったり、粉瘤が大きかったり、細菌感染したりしている場合は、くり抜き法は使えません。

もう一つの方法が一般的な切開手術です。粉瘤ができている皮膚に麻酔をかけてメスを入れ、皮膚ごと粉瘤の袋を取り除く方法です。細菌感染してしまっている粉瘤や、サイズが大きくくり抜き法では取り切れない粉瘤も取り除けます。ただし、メスを入れるため、くり抜き法よりも傷跡が残りやすいことや、抜糸をしなければいけないなどのデメリットもあります。

細菌感染していると費用も上がる

粉瘤は、細菌感染をしていなければそのままくり抜き法や切開手術で切除できます。ただし、細菌に感染していた場合には、細菌への対策をまず行わなければいけません。細菌感染をしていると、粉瘤の完治に対して行う処置の行程が増えますので、当然完治するまでの時間もかかりますし、その分だけ費用もかかります。

細菌感染をしている場合、まず細菌感染の度合いを見てみます。細菌感染の度合いが比較的軽度だった場合には、粉瘤に抗菌の軟膏を塗ったり、抗生物質を投与したりして、細菌感染している患部を鎮静化させます。粉瘤の状態が落ち着いたら、あらためて切除手術に入ります。

もしも細菌感染の度合いが高い場合には、粉瘤の袋の中に細菌感染した膿が溜まっていることが多いです。そのため、粉瘤の入り口を切開し、中にある膿を押し出します。その後に、抗生物質や軟膏の投与を行い、鎮静化してから切開手術を行います。

細菌感染をしているときには、手術費用のほかにも、抗生物質や軟膏の処方代の費用がかかります。また、粉瘤の状態の経過を見ながら手術のタイミングを計るため、通院する頻度が高くなるので、その分だけ費用も高くなります。もちろん健康保険が効きますが、細菌感染していない時よりも費用はかかることを覚えておきましょう。

できるだけ切除費用をおさえるには

粉瘤の切除を考えているときには、費用は健康保険の適応になることが分かりました。しかし、健康保険が適応されるとはいえ、できるだけ切除費用は押さえたいと考える人がほとんどです。次に、できるだけ粉瘤の切除費用をおさえる方法を見てみましょう。

それは、できるだけ早く皮膚科を受診することです。粉瘤は良性の腫瘍ですので、そのまま放置しておいても、ただちに命に危険があるわけではありません。しかし、放置しておくと、粉瘤の元である袋の中に、どんどん垢や皮脂がたまっていってしまいます。粉瘤の大きさが大きくなれば大きくなるほど、切除の手術にかかる費用は高くなります。また、サイズが大きくなると手術の難易度も上がりますので、手術を受けられる皮膚科が限られてしまうといったデメリットもあります。そして、粉瘤が大きいと手術の跡も大きくなりやすいので、傷口が残ってしまう可能性も上がります。

そして、もうひとつが細菌感染を防ぐことです。細菌感染をしている粉瘤の方が、通院の頻度が上がり、抗生物質の投与などが必要になります。そのため、切除費用だけでなく全体の費用が高くなってしまうのです。粉瘤をそのままにしておく期間が長いほど、細菌に感染する可能性は高くなります。細菌に感染しておらず、サイズも小さいうちに皮膚科を受診しましょう。

まとめ

粉瘤の切除にかかる費用や、健康保険が効くかどうかについてご紹介しました。粉瘤の切除は、自由診療の手術とは異なり、健康保険の適応内で受けられます。それほど高い費用が請求されることはありませんので、費用面でも安心です。さらに、サイズが小さく細菌に感染していないうちに切除手術を受ければ、より費用を安くおさえることもできます。切除しようかどうか迷っている粉瘤があれば、まずは皮膚科を受診して相談してみるのがおすすめです。

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